第百十九話
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「これ、ホントにどうしようか・・・どうにかして引きずり降ろさないといくらやっても意味なさそうだしなぁ・・・」
考えられる攻撃はこれでもうすべて試した。奈良県にある投げられそうなものは大抵投げ飛ばしたし、権能でできそうな攻撃もまた試した。
全なる終王で俺の体が持つギリギリまでためてでかいのをぶっ放した。手ごたえはあるが、向こうの声からしてダメージはなさそう。
即席工場で攻撃する。そもそも向うの風に邪魔されて届かない。
誓いの槍を投げてみた。当たりはしたらしいけど特にダメージはなし。必中なだけであって当たる場所までは指定されていないらしい。
髭大将で空気全体を揺らして場所の分からない風の方までまとめて邪魔してみた。俺も酔った。
万水千海で純度百パーセントの水を槍状にして撃ってみた。雷は通らなくても熱で蒸発した。
以上。本格的にどうしようもない。向うの攻撃も当たらないからそう簡単には負けないだろうけど、こちらの攻撃も当たらないのでは意味がない。はてさて、どうしたものか・・・
「・・・・・・うん?」
と、逃げ回っている最中に一つの建物が目に入った。これだけ大暴れしたのに、まだ建物としての形が残っている。俺は本当に何の意識もなく逃げ回っていたからそれは偶然なんだろうが、運のいいことだ。あれはどこの建物だろうか・・・
「・・・あ、思いついた」
その建物がなんだったのかを思い出して、そこにあるもののことも思い出して、どうにかなるかもしれない手段を思い付いた。
いや、より正確には最初から分かってはいたんだけど。この状況であの二柱を殺す方法なんて一系統しかないことは。こちらの攻撃が当たらない以上は、無理矢理にでも当てられる状況を作るしかない。そのための方法も、まあ一応あるにはある。それでもこの手段をとらなかったのは、危険性からの問題というのもあるにはあるんだけど、それ以上に一撃で仕留められそうにない、というのが大きい。なにせ、向こうがいるのは俺にはたどり着くこともできないようなところだ。いや行けるんだけど、正確にはこう、そこに残り続けることができないってだけで。
でもまあ、うん。無理矢理あそこにさえ行けてしまえば、あとはなんとでも……
「我がためにここに来たれ、羽持つ馬よ」
正直、これを呼び出しても雷はともかく暴風で終わるだろうと思って出せなかった。けど、一回向うに行くことさえできれば、後は何とでもなりそうなのだ。ざっと計算しても百回くらいは死にそうだけど、そこはまあ何とか根性で死なないようにするとして。
「我がために我が雷を運べ。我がために天を駆けよ。その為にここに現れよ!
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