第1章:平穏にさよなら
第12話「翠屋での交流」
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=優輝side=
「こんにちは。優輝君。」
「.....なんでここに居るんですか?」
恭也さんとの模擬戦の翌日、休日の午前になぜか士郎さんが僕の家に来ていた。
「昨日は恭也と模擬戦をしたんだってね。恭也から聞いたよ。」
「おかげで全身筋肉痛ですけどね...。」
過剰すぎる運動だった...。
「それより、どうやって僕の家に来たんですか?確か場所は教えてませんでしたよ?」
「あぁ、それならちょっとした伝手でね。」
...聞かない方がいい類かな?
「...はぁ、とりあえず、今日は何の用ですか?」
「いや、昨日の内に済ませられなかった用事をね。」
....昨日、模擬戦なんかせずにその用事を済ませれば良かったんじゃないか?
「単刀直入に言うけど、僕の家の養子にならないかい?」
「養子...ですか?」
親がいない事を恭也さんから聞いていたのだろう。だからこんな提案を...。
「...すみませんが、遠慮させてもらいます。」
「なぜだい?」
「士郎さんが善意でそう言ってくれてるのは分かるんですが、僕や緋雪としてはまだ両親が死んだとは思ってません。なのに、養子になったら両親の死を認めてしまったようで嫌なんです。」
大した理由ではない。ただの我が儘だ。それでも、僕はこの意見を貫き通したい。
「そうか...。だが、これからも二人で生きて行けるのかい?」
「今まで二人で生きて来れましたから。...と、言いたいですが、厳しいですね...。」
今までは両親の遺産で何とかしてきたし、これからもそうなる事だろう。だけど、私立の学校だからか、後の事を考えると結構お金が厳しい。
「ふむ...。なら、養子とまではいかないが、僕達から二人の生活をサポートさせてもらえないかい?」
「サポート...ですか?」
「うん。簡単に言えば、仮の保護者になる感じかな。子供だけでは解決できない事などは僕らに任せるような感じだよ。」
....今までの親戚と違って、士郎さんは根っからの善人だ。だから、信じても問題はない...かな。
「簡単には引き下がらない...ですよね?」
「あぁ、そのためにここに来たからね。」
「....はぁ。分かりました。ただ、サポートだけですからね?」
本来なら養子も頼むべきだろうけど、これはただの僕の意地だ。
「分かっているよ。...あ、もしよければ家のお手伝いをやってみないかい?」
「お手伝い....って、翠屋のですか?」
手伝えることと言っても、皿洗いぐらいしかできな気がするんだけど...。
「そうだよ。言い方が悪くな
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