『利用価値』
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少女は、まんまと粗悪集団の餌食になった。
少女も馬鹿では無い。
頭では解っていた筈...
でも仕方がないだろう、あの状況では。
私でも同じ様にすがっていた。
其れでも少女は粗悪集団から離れようとはしなかった。
独りになるのが怖かったんだろう。
今はまだ...
こんな人達でも、少女にとっては大事な居場所だったんだろう...
グループのリーダーが少女に質問責めをした。
『なぁなぁアンタ何歳?』
『...中2』
『ほな処女?』
『...いえ』
『えーっ!!マジでっ!
早くねっ!彼氏?』
『...いえ』
『は?ほな相手誰?』
『...義理の父親』
『...え...マジで?
それヤバくね?』
『したくてしたんや無い!!
無理矢理やられたんや!!』
少女は糸が切れたように泣き崩れた。
私は、そんな少女を見てるのが辛かった。
その場に居たメンバー皆が少女に同情した。
けれど、同時に、利用価値があると企んだのも事実。
少女は、見せかけの優しさになだめられ、落ち着き、簡単に心を許してしまった。
いや、やけくそになっていた、ってのが本当のところだろう。
どうでもよくなったんだろう。
誰かが居てくれさえしたら。
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