博麗神社編
第一話 記憶の欠けた男
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定、少女は意味を理解し、驚く……かと思いきや。
「あ〜 もしかして名前もわからない?」
「ええ、よく分かりましたね」
「そう言うのいっぱい来るのよ… 特に、今貴方が立っているその場所とかにね」
記憶を失った者は全てここに連れて来られるみたいな不思議な話だろうか。それはそうとして、興味が湧いた。
「興味深いですね。やはり、みんな記憶を失って?」
「みんな、とは限らないけど、兎に角貴方みたいな人よ」
話を逸らされた気がする。
「立ち話もなんだし、うち入る? あ、その気持ち悪い敬語は無しにしてね」
「気持ち悪い…か。すまない」
「スッと入れ替わるところがまた気持ち悪いわね…」
引かれているのか、惹かれているのか… どっちの『ひ』かはわからないが、今一番気になることは、
「知らない人をあげていいのか? それも、君は女だ、見た感じオレも男だ」
「いいのよ、ご利益あるって言ったでしょ。それと、君ってのも止めてちょうだい。博麗霊夢、霊夢でいいわ」
「わかった。すまないな、オレはわからない」
仕方ないな、という表情を見せてから建物の後ろへと歩いて行った霊夢に着いて行く。すると、そこには普通の家が建っていた。
神社の後ろに家があるとは結構斬新なものだ。
「いろいろ話さないといけないこともあるし、何もないけどゆっくりしてていいわ」
「ああ、わかった。おじゃましまっ!……」
後頭部に激痛が走り、右手で抑える。よくある、記憶が戻るときの『う、うぐぁ!』みたいなのとは違う、ただの打撲による痛みだ。
「大丈夫!? 今後ろから凄い勢いで石が飛んできたけど…」
「大丈夫、大丈夫だと思うが………」
非常である。石ころが後頭部に飛んできてなんでもないただの打撲による痛みを感じて、
「幾斗だ…」
名前を思い出すだなんて…
「え、まさかとは思うけど…」
「そのまさかだ」
痛い後頭部を摩りながら、唖然としている霊夢を抜かして前に見える玄関へと足を運んだ。
ゆっくりしてていいと言われたので、奥の、炬燵の置いてあった居間であろう部屋に座っていた。
季節はいつだろうか。薄着のパーカーでも寒さは感じない、暑いわけでもない。炬燵は丁度いい役目をしている…… わからないな。
冷静であろうこの脳みそが混乱するほどの長い説明を霊夢にされたのは、これから数分後のことだった。
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