Another110 友情
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たままである。
「ねぇ!君!!」
大輔「俺と賢達で治さんを連れ戻す。治さんが賢と一緒に帰ってきたら、治さんを抱き締めてやってくれ。それが今、治さんに必要なことだと思うから」
「…………」
アインス「もういいのか?」
マンションの外で待っていたアインス。
大輔も笑みを浮かべながら頷いた。
大輔「ああ、あの人達は賢達の評判に舞い上がっていただけで良い人達だからな。これで治さんにも帰る場所が出来た。」
アインス「そうか…帰る場所があるというのはそれだけで幸福なことだ。」
大輔「治さんも賢と同じように親の期待に応えようとして、したくもない勉強やスポーツをやって自分を抑えてたんだ。冷静になって考えると、あの人がデジタルワールドに固執するのもデジタルワールドが本当の自分を認めてくれる世界に見えたんだと思う。だからこそあんなことになった」
アインス「デジタルワールドは未来と夢を信じる存在を選ぶ傾向がある。賢の兄は…諦めてしまったのかもな」
大輔「でも、生きている限り罪を償うことは出来る。もし治さんが罪を償おうとするなら、全力で力を貸すつもりだよ」
アインス「そうか…大輔がそう言うのなら私も全力で力を貸そう」
大輔「ありがとうな」
アインス「気にするな、あなたと結ばれる時に誓ったはずだ。“いついかなる時もあなたに着いていくと”…」
大輔「ああ、明日から忙しくなるぞアインス」
アインス「ああ」
一乗寺家から聖竜学園の寮に向かう大輔達であった。
大輔が出ていった一乗寺家では重い空気が立ち込めていた。
「なぁ、俺達は……治と賢をしっかり見ていたか?…もしかして…見ていなかったんじゃ…」
「………ちゃんと見ていた、はずだったけど……もしかしたら…私達は治ちゃんや賢ちゃんの事を“治ちゃん”と“賢ちゃん”として見ていなかったかもしれないわね……あの子の言う通り……あまり治ちゃんや賢ちゃんの気持ちを考えていない所があったかもしれない……」
2人は黙り込んでしまった。
その心には深い後悔の念が渦巻いている。
しかしこれなら大丈夫だ。
今の2人ならきっと、一乗寺治の帰る場所となれるだろう。
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