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ウィッグマン
第四章

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「ニュージーランドと違ってね」
「部族の習慣が凄いね」
「密林の中で昔ながらの生活をしている人達」
「それが勉強出来るのなんてね」
「面白いね」
「そう、この国には様々な部族がいるんだ」
 フルーツを食べつつだ、先生も皆に話す。
「だから槍を持って踊ったりね」
「腰蓑で身体に泥を塗ったマッドマンとかですね」
「色々あるんですね」
「それぞれの部族で」
「そうだよ、そして明日はね」
 次の日はというと。
「ウィッグマンを見るよ」
「ウィッグマン?」
「それどんなのですか?」
「このタリ村の男の子達がやるものでね」
 先生は学生達に話した。
「所謂成人の儀式だよ」
「成人のですか」
「儀式なんですか」
「この村の男の子達は十七歳か十八歳になると親元を離れて学校に入るんだ」
 こう皆に話すのだった。
「鬘を作る学校にね」
「この部族の」
「それの鬘を作る為の」
「そうなんだ、そこで狩りや農業の勉強をして」
 そしてというのだ。
「一年八ヶ月位かけてじっくりと勉強してね」
「鬘もですか」
「作るんですね」
「そうなんだ、その鬘を見に行くよ」
 明日はとだ、先生は話した。
「その人達のね」
「それもですね」
「かなり凄いんですね」
「そのウィッグマンも」
「そう、明日見るよ」
 こう話してだ、そしてだった。 
 ビリー達はこの日はタロイモ料理にフルーツがふんだんにあるこの国の郷土料理を楽しんだ。その次の日にだった。
 皆でそのカツラ学校に行った、するとその学校の先生が皆の前に来てだった。そのうえでこう言ってくれた。
「今日はようこそ」
「はい、是非です」
「ウィッグマンお願いします」
「見せて下さいね」
「見せる為に来てもらったんだ」 
 こちらの先生もこう言うのだった。
「だから楽しみにしていてね」
「はい、じゃあ」
「宜しくお願いします」
 皆笑顔で応えてだ、そうして。
 その学校に入った、ここもパプワニューギニアの部族の文化風俗をそのまま出している。観光的なものも含ませて。
 そしてだ、その鬘はというと。
 赤や黄色のカラフルな鳥の羽飾りを付けて木の皮や枝、それに熱帯の色とりどりの花でも飾ってだ。それぞれの鬘を作り。
 顔にもカラフルにペインティングをして裸に腰蓑、手足にアクセサリーを付けた姿になった。その姿のタリ村の青年達を見てだった。
 誰もが唸ってだ、こう言った。
「うわ、凄いね」
「これがまさにね」
「パプワニューギニアっていうか」
「この国らしいっていうか」
「相応しい」
「そうだよね」 
 それぞれ言うのだった、そして。
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