第六幕その十一
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「また診察をしてね」
「皆の相談に乗る」
「そうするんだね」
「そうするよ、今日もね」
先生は穏やかに言うのでした。
「あと明日は午前は講義だから」
「そうそう、大学のね」
「講義あったね」
「そっちも頑張ってね」
「学生の皆に教える方もね」
「そちらも頑張るよ」
当然といった口調でした。
「全力でね」
「先生手を抜かないからね」
「何でもね」
「学問に関することはね」
「出来ることはね」
それこそ何でもです、先生は手を抜いたりいい加減なことはしません。自分の出来ることを先生なりにいつも全力でしています。
「だから教えることもね」
「絶対に手を抜かないよね」
「そちらの方も」
「頑張るよね」
「そうしないと学生の皆にも医学にも悪いよ」
これが先生のお考えでした、何故手を抜かないかといいますと。
「だからなんだ」
「そういうことなんだね」
「先生は失礼なことは駄目だっていうから」
「それで手を抜かないんだね」
「色々なことについて」
「やるからには」
「うん、ただ僕は出来ないことが多いから」
運動神経はなくてしかも世事のことには本当に疎いです。
「そうしたことはね」
「しないよね」
「というか周りが止めるんだよね」
「僕達もそうしてるからね」
「どうしてもね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「出来ないことはね、僕はね」
「最初からしないこと多いよね」
「スポーツとか家事のことは」
「特にスポーツとお料理はね」
「しないよね」
「スポーツは身体が動かなくて」
子供の頃からです。
「オリンピック選手とか不思議で仕方ないよ」
「軽々と動けるから」
「凄く速くて体力もあって」
「それでなんだね」
「先生も不思議なんだね」
「どうしてあそこまで動けるかはわかっているんだ」
スポーツ医学的にです、先生はこちらの専門家でもありますので。
「それでもその目で見ると」
「頭ではわかっていても」
「それでもなんだね」
「あそこまでどうして動けるか」
「それがなんだ」
「わからないんだ」
「そうなんだね」
「そうだよ、僕にとってはね」
スポーツ選手の身体のことがというのです。
「凄いと思うよ」
「不思議って思う位に」
「そこまでなんだね」
「ダンサーにしてもだよ」
こちらも身体を動かすことです、それなら先生が得意な筈がありません。
「ああして動けるのって凄いよ」
「先生リズム感ないからね」
「歌うことも駄目だしね」
「音楽の知識はあってもね」
「実践は駄目なんだよね」
そちらもです、先生は苦手なのです。
「踊ることは出来る人も」
「それもなんだね」
「難しい」
「そうだよね」
「足がもつれて手
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