第六幕その九
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「もうお歳だからね」
「無理はするな」
「そういうことですね」
「そう、穏やかにね」
過ごして欲しいというのです。
「たっぷり食べないで程々にね」
「いやいや、そう言われずとも」
「もう食欲が昔程ないんですよ」
スナメリのお祖父さんとお祖母さんは笑って先生に答えました。
「だから先生に言われなくても」
「食事は控えてますよ」
「前にも増して穏やかに」
「そうなっていますよ」
「それは何より。けれど食べ過ぎもよくないけれど」
先生はお祖父さんとお祖母さんにさらに言いました。
「食べないことも駄目だよ」
「程々に」
「そういうことですね」
「そうだよ、そうしておいてね」
先生はお祖父さんとお祖母さんにはお歳のことからお話するのでした。そうしたお話をしてそのうえでなのでした。
先生はスナメリさん達の診察を終えてから動物の皆と一緒に御飯を食べました。水族館のレストランで鶏肉のステーキをメインにしてです。
サラダやスープ、それにパンも食べます。その先生にです。
周りで先生と一緒に食べている動物の皆がです、こう言ってきました。
「先生、さっきのスナメリのお姉さんのことだれど」
「あのお姉さん結婚するのね」
「鳥羽水族館から来た方と」
「そうなるのね」
「そうだよ、スナメリ君達はね」
先生はサラダ、レタスとトマト、かいわれと若布の上に白いドレッシングをかけたそれを食べながら皆に応えました。
「大事な生きものだからね」
「それでなんだね」
「大切にされてるから」
「それでなんだ」
「ああしてなんだね」
「結婚も進められてるんだね」
「そうだよ、水族館の方でもね」
そうしているというのです。
「他の生きものも同じだけれどね」
「大事にしないとね、そうしたことは」
「いなくなってからじゃ遅いからね」
「先生がいつも言ってるけれど」
「その通りだよね」
「そういうことだよ、だからあの娘も今度結婚するんだ」
スナメリのお姉さんもというのです。
「幸せになるといいね」
「そうだよね、本当に」
「あのお姉さんも幸せにならないとね」
「誰でも幸せにならないと」
「そうならないと駄目だよ」
「それでよ」
今回口火を切ったのはダブダブでした。
「先生もよ」
「僕はもうこれ以上はない位に幸せだよ」
「だから何度も言うけれど幸せには上限がないんだよ」
トートーも言います。
「幾らでも幸せになれるんだよ」
「皆最近よくそう言うけれどね」
「だって本当のことだからね」
ガブガブも先生の足元から先生に言います。
「先生も今以上に幸せになれるよ」
「今以上にね」
「幸せになりたいよね、先生も」
チーチーもかなり真剣です。
「今以上に」
「確か
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