『否定』
[8]前話 [2]次話
『心配せんでも最初は優しくしたげる。涙拭きぃ』
行為そのものは勿論、段階なんてものがあることすら知る由もなかった。
『まず指挿れるけん痛かったら言えよ?』
ん?何故か妙に優しい?
こんな優しく声をかけられたことは今迄無かった。
不本意ながら嬉しいって気持ちを一瞬抱いてしまった。
いつもいつも浴びせられるのは人間的に否定する言葉ばかりだった。
屈辱と情けなさで死にたくなるほど。
嫌っていたのは事実。
でも、優しくされたかったのも事実。
いつも、ひいきにされて優しく愛を注がれていた姉に嫉妬していたのも事実。
でも、違う。
こんなことされたかったワケじゃない。
姉と同じにしないで。
姉はアナタのオンナだから、好きでヤってるだけ。
違うっ!!
こんなの違うっ!!
嫌だっ!!
汚いっ!!!
自分自身の揺らいだ気持ちを否定した。
総てを否定した。
間違ってる。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ