『殺』
[8]前話
壊れた玩具みたいに泣き叫ぶこともあった。
家でも外でも抱えきれないほどの出来事に心が追いつかない。
プツンと糸が切れた。
感情を無くした。
シャットアウトした。
目の前で腰を振る間抜けな怪物さえ笑えるほど。
でも此の怪物を消してしまいたい欲望は消えなかった。
だから消そうとした。
失敗したけど。
そのおかげで、此の家に居る他の3人からも恨まれた。
誰も何もしてくれなかった。
目の前で何をされていても。
最初から敵に囲まれていた。
まさに疑似家族。
血の繋がりなんて関係なかった。
元から血は腐ってたんだ...
解ってはいたよ。
そんな馬鹿じゃないから。
更に時が経って、やっと児童相談所が動いた。
何年も電話し続けたけど悪戯だと思われていた。
保護されるまでも保護されてからも色々あった。
怪物は、逮捕前、近所中に自分のしたことを言いふらして、散々喚いてたらしい。
逮捕後も嘘の供述しかしなくて聴取も繰り返し繰り返しで最悪だった。
最終的には『ワシは誘われたんや』って、鼻で笑ってしまうような供述。
所詮、怪物は人間の心など持ち合わせて無かった。
此の心の奥、殺意が消え去ることは無い。
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