第六章
[8]前話
「動きやすいし」
「これならいいわ」
こう話すのだった、そしてだった。
シュシュットについてはだ、こう言うのだった。
「これはね」
「シュシュットはね」
「重くて」
「それが気になるわね」
「けれどね」
「ええ、奇麗よね」
貝殻やビーズで飾られたそれはというのだ。
「だから重くてもね」
「気にならないわね」
「これならね」
「着けていられるわ」
こう話すのだった。
「ネックレスもね」
「これいいじゃない」
最後にネックレスのことも話した。
「奇麗な緑で」
「この服にも映えるし」
「シュシュットにも合ってて」
「いいわね」
「これなら」
理恵子はにこりとして自分と同じ服を着ている智美に話した。
「普通に着られるわ」
「気に入ったのね」
「かなりね、一式買ったら」
服と首飾りとそのシュシュットだ。当然帯もだ。
「結構値が張ったけれど」
「それだけのものはあるわね」
「いい買いもの出来たわ、それじゃあまたね」
「あのお店行くのね」
「そうするわ」
智美ににこりと笑って答えた、そしてだった。
理恵子はそのシュシュットを外してだった、ここでこうも言ったのだった。
「下はね」
「下?」
「スカートの下よ」
このことも言うのだった。
「ちょっとね、工夫したいわ」
「ああ、何かはきたいのね」
「ズボンというか」
「スパッツ?」
「それ穿いてもいいかしら、春とか秋は」
夏以外の季節はというのだ。
「この生地だとね」
「あんた結構冷え性?」
「実はね」
こう答えた理恵子だった。
「だから」
「それははじめて聞いたけれど」
「それでなのよ」
春か秋はというのだ。
「そうしようかしら」
「いいんじゃない、それで」
これが智美の返事だった。
「あんたがしだいようにすればね」
「じゃあそうするわね」
「ええ、じゃあまたね」
「行きましょう」
あの店にとだ、理恵子は微笑んで応えた。そのシュシュットを手に取ってそのうえでその華やかさを見て楽しみながら。
シュシュット 完
2015・10・26
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