六話:ファーストコンタクト
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冬も本番に入り、朝起きるのが辛くなる時期。
外を出歩く人も少なくなり町は少しだけ静かになる。
そんな中、切嗣は息を白く染めながらヴィータとザフィーラと共に散歩をしていた。
「もうそろそろクリスマスの季節だね」
「クリスマス?」
「ああ、ヴィータちゃんは詳しく知らないんだね。簡単に言うとね、昔の偉い人の誕生日をお祝いしてみんなでケーキを食べたりプレゼントをもらったりするんだ」
「へー、何だか楽しそうだな」
「うん。今年はケーキをギガウマの翠屋に頼もうと思っているからそっちも期待していいよ」
ケーキという言葉に顔を輝かすヴィータに微笑みながら歩いていく。
そんな中でも切嗣は内心は冷酷に計画の為に二人を誘導する算段を立てる。
何気ない風に装い切り出す。
「そう言えば、翠屋と言えばあそこの末娘さん―――かなり魔力を持っているみたいだよ」
「……それ本当なのか?」
「…………」
魔力という言葉に表情を変えて聞き返して来るヴィータ。
ザフィーラも耳を立てて詳しく聞こうとしているのが分かる。
それに気づかないふりをして続けて行く。
「うん。この前シュークリームを買いに行ったときに見かけたんだけど僕でも分かる位の量だった」
「そっか。なぁ、その翠屋ってどこらへんにあるんだ?」
「ん? 自分でも行ってみたいのかい。それなら―――――」
ヴィータ、それに聞き耳を立てているザフィーラに翠屋の大まかな位置を教えながら同時にこの時期に伝えることになった経緯を考える。
予定よりも早く管理局に闇の書について嗅ぎつけられたのだ。
今はまだ騎士達の拠点を突き止められていないだろうが時期に地球から転移可能な世界が中心だと気づくだろう。
そうなってしまえば高ランクの高町なのはに加えて管理局から増援が来かねない。
それでは流石の騎士達も辛い。故に多少のリスクを犯してでもここで高町なのはから蒐集することに決めたのだ。
拠点を突き止められかねないがどうせ最後には居てもらわねばならないのだ。
計画が前倒しになるだけだ。
「行くならザフィーラと一緒に行ったらどうだい。疲れたらザフィーラに乗ればいいしね」
「あたしはそんなに弱っちくない!」
まるで自分がケーキすら持てないと言われたようで腹を立てるヴィータを宥める。
何も切嗣はそういった意図で言ったわけではない。
二人で高町なのはを襲撃して一気に片を付けるように言ったのだ。
才能があると言っても二対一なら為すすべはないだろう。
もっとも騎士達がそのような卑怯な真似をするかは微妙な所だが。
「と、そろそろ晩ごはんができる頃かな。帰ってスープでも飲んで温まろう」
「ちぇ、まあ、はやてを待たせるわけにはいかないか
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