暁 〜小説投稿サイト〜
東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第1章:影月異変
episode1:ぶらり幻想出会い旅
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っており、普通の人間ではその瘴気には耐えられない。紫曰く半神である私ならば影響はないかもしれないが、もし影響があった場合は悲惨だ。
それに、私は藍に逃げ足を徹底して鍛え上げられた。妖怪の対処法や魔除けの護符なども持ち合わせている。まだ私が偵察に行く方が、生存率が高い。
「う、むぅ……」
「それに、何人か妖怪にも知り合いが居るんです。勿論人に無害な妖怪ですけど。彼女達の支援もあれば、危険度も低いですよ」
「むむむ……そこまで言うのなら、すまないな。頼んだ」
「了解です。じゃあ……早速!」
──全力疾走!可愛い妖怪が私を呼んでるZEッ☆
ねぇねぇ、善意だけで動いてると思った?ねぇねぇ思っちゃった?
残念、可愛い可愛い東方キャラと会うためだよヒャッハーッ!
基本私は人里で暮らしてるから、人里からロクに出られないのだ。下手に抜け出せば、失踪扱いにされて大騒ぎされかねない。
唯一合法的に暫く人里を離れられる方法が、この人里郊外調査と称した出会い旅である。
自宅に買った食料を放り込み、携帯用の簡易料理をポーチに詰め込む。護身用の魔除け札と儀式用ナイフをサイドポケットに突っ込み、火打石を残り少ない容量に無理矢理押し込む。最初こそ苦戦した火打石だが、今ではすっかり慣れた。
ちなみに安全面に関しては絶対的な自信がある理由だが、それはまぁそれ相応の協力者が居るからであって──
「ほいっ」
一枚の札を破り捨てる。
同時に強い風が巻き起こり、小さな竜巻がヒメノの体を包み込む。
それはとある妖怪との約束の証でもあり、その妖怪を呼び寄せる為の行為でもある。
「──おや、随分と早いお呼びですね」
「ごめんねー、今日も付き合ってね。いいネタ提供してあげるから」
漆黒の羽、赤い頭襟。胸ポケットに差し込まれた手帳──文花帖。
うむ、今日もあややは可愛いなぁ!
そんな訳で射命丸文だ。彼女との交流が始まったのは、藍に修行を付け始めて貰って直ぐの事。何処からか人間が幻想入りし、八雲藍の元で修行をしていると聞きつけた文は、直ぐに取材に来たのだ。そんな訳で取材に答えたのだが、予想以上に良い売り上げだったそうだ。お陰で私は人里にも顔が知られており、自然と移住することも出来た。文も売り上げが伸びてウィンウィンの関係となった訳であり、その後の交流が出来たのもまあ当然といえば当然だった。
そんな中、文が提案した協定がある。
私が呼べば射命丸は私を支援し、その代わりにネタを提供、若しくは取材を受けるというものだ。当然私は二つ返事でその協定を受け、その後は度々文の支援を受けている。人里内では少し耳を傾けるだけで、スクープに使えそうな情報は転がっているのだ。
しかしいずれも新聞
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