暁 〜小説投稿サイト〜
東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第1章:影月異変
episode1:ぶらり幻想出会い旅
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有り得なさそうなので知らない振りをしておく。確かに幻想郷に来て最初の一週間程度は紫の指示によって博麗神社で過ごしたが、霊夢はやはりというかなんというか私とは殆ど関わろうとしなかった。そんな私に霊夢が重要な秘密をカミングアウトする筈も無いだろう。
とまあそういったように、私は大抵の東方キャラの名前と能力、大まかなデータは愛によって全て記憶しているし、その相手に対する対処法も心得ている。
原作にロクなデータがない雑魚妖怪や妖精なんかには太刀打ち出来ないのだが、逆に言えばそれ以外のキャラクター達に対してはアドバンテージがあるのだ。まあそれが使えればの話だが
「慧音さん」
ふと、男の声が聞こえたので我に返る。
振り返れば、そこに居たのは人里の門を護る男だ。大抵彼が慧音に用があると言えば外で異常が発見された時なのだが……
「どうした?何かあったのか?」
「ええ、奇妙なんです。妖怪一匹居やしない。普通なら遠方に一匹や二匹居るもんなんですが、今日に限って一日中一体も見ないんですよ」
「偶然ではないのか?」
「いえ、霊媒師によれば森で厄災が集まっていると。森に妖怪どもが集まってると解釈した方が良いらしいですぜ」
「っと、なら私の出番だね」
現実世界なら霊能者など胡散臭いだけの存在であるが、幻想郷なら話は違う。幻想とされる存在が闊歩するこの世界では、現実世界で否定されているものが肯定されるのだ。従って、霊媒師の予言ともなるとほぼ100%当たっているのだ。
が、幻想郷の霊能者と言えど万能ではない。妖怪の種類や数、具体的な場所にそれぞれの強さ。分からない事は多い。
その為に居るのが私の所属する自警団の一部隊、数少ないあぶれた人員が所属する人里郊外偵察隊である。
主な仕事は人里郊外に存在し、尚且つ人里に危害を加えそうな妖怪の調査、偵察。若しくは人里郊外にて行方不明になった人間の捜索である。
故に妖怪の偵察なら私達の仕事……なのだが、流石に数多の妖怪が集まる場所に自ら行くというのは慧音としては見逃せないらしい。
「待て待て。いくら逃げるのが得意だからと言って、一体ならまだしも複数の妖怪が集まる場所に自ら行く阿呆が居るか。せめて霊夢か魔理沙に任せて……」
「霊夢は実際の被害が出るまで動かないでしょうし、魔理沙に頼むには魔法の森まで行かなきゃいけませんよ?魔理沙が人里に来るのを待つにも、その前に妖怪が動かないとは限らないですし」
一応的を射た発言だろう。この幻想郷の霊夢は基本怠け者であり、自ら動くのは人里に被害が出た時や、結界に異常が生じた時。若しくは異変が起きた時だろう。
魔理沙は比較的引き受けてくれるが、魔理沙の住処は魔法の森の奥地だ。その付近には猛毒を持つキノコの胞子が飛び交
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