第一層ボス戦 vs《イルファング・ザ・コボルドロード》
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が玉座に近付いた時、そこに座っていた何かが飛び上がった。
地響きとともに着地した、赤い巨体。
獣人、コボルドの王、《イルファング・ザ・コボルドロード》。
「グルルラアアァァァァッ!!」
二メートル超えの巨躯に、右手には骨斧、左手にはバックラーを携えて、後ろ腰には差し渡し一メートル半もある湾刀を装備している。
コボルドロードの咆哮を合図にして壁の穴から取り巻きである《ルインコボルド・センチネル》が飛び出してくる。
三体のうち一体はキバオウのE隊、もう一体はその支援のG隊がタゲを取ったので、こぼれた一体に狙いを定めて走り出す。
今、アインクラッド初めてのフロアボス戦の火蓋が切って落とされた。
《ルインコボルド・センチネル》は全身を鎧に包まれている。高火力の武器なら鎧ごと攻撃してもダメージは通るが、短剣ではそんなことはできない。
なら??
(鎧に包まれていないところを斬る!)
「キリト!初撃はもらうぞ!」
右手に短剣を持ち、最高速度でセンチネルに突っ込む。
降り下ろされる長斧を紙一重で右に避け、左手で長い柄を掴み引っ張り、センチネルの装甲の薄い肘の裏を斬り裂く。
体勢を崩したセンチネルの弱点である喉元に短剣を突き刺し、そのまま背負い投げの要領で投げ、地面に叩きつける。
地面は破壊不能オブジェクトほどではないが堅い。そのため地面に叩きつければそれなりのダメージを与えることができる。
そのうえ弱点の喉に短剣を突き刺したまま投げたのだ、ダメージはかなり大きいだろう。
だが雑魚とはいえボスの取り巻き、HPを完全に削りきれなかった。
倒れた状態でも長斧を振り回してきたので、後ろに飛び退くことで回避する。その間にセンチネルは起き上がり、突進してくる。
左手にも短剣を握り、振るわれた長斧を受け流して胴体にけりを入れてひるませる。
「スイッチ!」
追い付いてきたキリト、アスナと入れ替わる。
◇
sideアスナ
あのコトミネっていう人は何者なの?
私はあの人を見てそう思わずにはいられなかった。
ボス部屋までの道中でも短剣を二本装備していることから疑問に思っていたけど、彼の戦闘の様子を見て何度も驚かされた。
まず速い。
自分はステータスを敏捷寄りにしているが、そんな自分よりも数段速い。レベルがかなり高いのだろう、それだけでも彼の強さが窺える。
さらに攻撃、的確に鎧と鎧の隙間を狙える正確さ、敵の攻撃に臆することなく懐に飛び込む思い切りの良さ。
しまいには鎧を着込んでいてかなりの重量になっているであろうセンチネルをいとも容易く投げ飛ばしたのだ。
彼と知り合いであるはずの隣の剣士に質問する。
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