第1章:修正の始まり
第7話「母親」
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り...!」
一段落付けるぐらいには書類を片づけ、一息つく。
「ふぅ....。」
この会社では今の所特に社長とかが決められていない。...近いうちに決めるんだけどね。だから、書類関係を俺がやってた。
コンコン
「?どうぞー。」
ドアをノックされたので、入室を許可する。
「束か。どうしたんだ?」
「えっと、さっき思ったんだけどさ...。」
入ってきたのは束で、何か用があるみたいだ。
「なんだ?」
「...桃花さんには、合わないの?」
「っ.....!」
束の言う桃花...俺の母親の事だ。残念ながら、父親の方は俺が物心つく前に事故で亡くなっていたが、母さんはずっと俺を大事に育ててくれていた。
「桃花さん、さー君が事故に遭ってからずっと塞ぎこんでてさ...。」
「そう...か....。」
話を聞けば、束が洗脳される前から抜け殻のようになってて、生きる最低限の事してしないようになってしまっているらしい。
「....行かなくちゃな。」
「さー君?」
立ち上がり、そう言った俺に束が疑問の声を上げる。
「...今まで、散々心配をかけてしまったんだ。早く帰って安心させてやらなきゃ。」
「...そうだね。」
どうして今まで家に帰ろうとしていなかったんだろうか。...とんだ親不孝者だな。
「ちょうど仕事も一段落ついたんだ。早速行くよ。」
「分かったよ。」
さぁ、久しぶりに帰宅だ。
「.....懐かしいな....。」
久しぶりに帰ってきた自宅の前で俺はそう呟く。体感時間では半年ぐらいしか経ってないが、実際は十年以上経っている。
「母さん....。」
自宅の雰囲気は変わってしまっていた。玄関前にはごみ袋が大量に置いてあるし、心なしか家そのものがどんよりしている。
「さー君...。」
「...大丈夫。」
心配でついてきた束が俺を心配する。そんな束に俺はそう返事しながらインターホンを鳴らした。
ピンポーン
「.......。」
「.......。」
....出ない。出る気力もないのか...。
「母さん...。」
「...どうするの?」
「...どうするもなにも、家に帰ってきたんだ。やる事は一つさ。」
玄関のドアに手を掛ける。...鍵は、かかっていない。
「―――ただいま。」
扉を開け放ち、俺ははっきりとそう言った。
「.....静か、だね。」
「ああ....。」
床も薄汚れてしまっている。ずっと、
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