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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第二十四話
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イヤ様だ。さすがオラリオ最大派閥の主神。ゼウス様とヘラ様をどうやったのか知らないけど、その王座についてるだけある我侭っぷりだ。

「一応自己紹介をさせてもらうよ。私はセレーネ・ファミリア所属、クレア・パールス。まぁ今はレイナ・シュワルツだけど」

 私がはっきり断言するとオッタルはその巌のような体をようやく動かした。私へ少しずつ歩み寄ってくる。一歩一歩に地鳴りがしてるかと思うほどの迫力を伴って。

「対話と言ったな、【不屈の奉仕者(セミヨン)】。ならば俺から一つ聞きたいことがある」

 ミノタウロスはその身を萎縮させるように筋肉を鳴らす。オッタルの神威(アルカナム)が増幅するにつれてビリビリとダンジョンが震える。
 ずんと立ち止まったのは私の目の前三M。それが彼の間合いなのか、それともこの距離なら一息で殺せると踏んだのか。

「今貴様はLv.10なのか?」

 なるほど、そこらへんの情報は曖昧らしい。ただ問いただす彼の顔に疑念は見られない。おそらく確信を持った答え合わせのつもりのようだね。

「いいや、今の私はLv.1相当だよ。発展アビリティと魔法はそのままだけどね。じゃあ私からも一つ聞かせてもらうよ。何で君は私が弱体化していると確信していたのに決闘を望んだんだい? 私に【アルテマ】があるか解らなかったせによ、今の質問をするためだけに妙な危険(リスク)を背負う必要は無かっただろうに」

 まぁ、これも大体解りきった禅問答なんだけど、一応私の命を狙う者の心情を知る機会ってのもあんまり無いから本人から聞いておきたいね。
 オッタルは肩越しに向かって片手を挙げた。それを視認したミノタウロスは静かにその場に大剣を置き、その威圧的な姿からは考えられないほど慎重に後退していき、奥にあった巨大なカーゴの付近で再び膝を突いた。手出し無用ということか。

「歴史の頂点に君臨した者と手合わせ出来る機会など、これを逃してはあるまい。万全でないにせよ貴様は記憶を引き継いでいる。ならば貴様の技術を奪い取ってから殺せば危険(リスク)報酬(リターン)は成立する」

 なぁるほどね。つい最近そんなことしてたな私も。専ら盗まれる側だったけど。私が弱体化していてオッタルが完全有利に立っていればそう感じるのは仕方ない。というか全うだね。

 ただなぁ。私から言わせれば、()()()()()()()()()()()()()? ってなるんだけど。

 私はなるほどねと相槌を打ちながらオッタルに向けて右手のひらを見せる。ちょっと待ての合図だ。オッタルの返事も聞かず私はおもむろに自分の装備、正しくは上半身に着ている服を脱ぎ始めた。
 オッタルが失望の色を瞳に宿し
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