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7thDragoN 2020 ~AnotheR StoryS~
CapteR:0 目醒めの刻
序章:a
−新宿地下街−2020−April−3−15:04−
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い水溜りが何故、出来ているのだろうか。
例えば、着替えるだけなのに
―――ガリッ ガリガリッ――
――バキンッ
ベチャッ――
何故、
こ ん な に も 不 快 な
音 ガ ス ル ノ カ 。
―――ベチャッ
ベチャッ――
バキンッ――
ベチャッ――
いや、私は気付いていた。ただ足が何故か、止まらなかった。足は震えて立つことすらままならないのに、いう事を利かない。奥歯の付け根が噛み合わないほど、私の体は震えている。
――パシャッ――
靴が水溜りに浸かる。
――パシャッ パシャッ――
いや、水溜りじゃない。
――パシャパシャ パシャン――
これは血溜まりなんだ。
――パシャッ パシャ――
見たくない。しかし私の考えとは裏腹に体は尚も、歩みを進める。
遂に奥から二番目の個室の入り口に来てしまった。
そこには雪絵の変わり果てた姿、なんて物は無く、代わりにソレは居た。
ソレは姿かたちこそ、犬や狼の様な獣だったが大きさが異常だ。巨大な体躯に相応しい口を持っていて、綺麗に生え揃った牙は全てが赤く染まっていた。
ソレは咀嚼するのをやめ、こちらを値踏みするように睨め回した。
私は気付いた時には、落ちていた鉄筋を握りしめていた。
しかし手が震え、足が震え、思うように一歩目が踏み出せない。
――グァルルルッ――
地の底から響くような低い唸り共に、ソレはいきなり飛び掛かってきた。ほんの一瞬の出来事だった。その一瞬で距離を詰められ、のしかかられる。ソレとタイルに挟まれ、身動きが取れなくなる。ソレの鉄臭さと生臭さが混じった息が顔に掛かる。
爪が制服を裂き、皮膚に食い込む。食い込むと同時に、赤い液体が幾筋も流れ出る。目の前に、血染めの牙を剥き出しにした口が近づいてくる。
そうか、私は友人の一人も助けられず、あっさりと死ぬんだな。
そう呟き、目を閉じる。
臭いが一層近づいてくる。
しかし待てど暮せど、その瞬間は来ない。
「おいおい、しっかりしてくれよ。それでもS級エリートなのか?お話にならねぇぞ。」
聞き慣れぬ男の声がする。臭いが遠のく。
「S級が一人、避難が確認できないからよろしく。なんって話だったがこれじゃ、この先もたねぇぞ?」
恐る恐る目を開くと、そこには紫の布と腕章を身に着けた、軍服の男がいた。
そして驚くべきことにその男は、素手でソレと戦っていたのだ。男は大柄に見えるが、せいぜい180p程だろう。それに比べて一回
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