第十八話:紅薔薇の剣姫
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また爆発。
「ロールスロイス・ファントム『4450万円』が木端微塵!?」
「……やっ……!」
「ははは、あたるものか!」
更に爆発。
「おおお!? エンツォフェラーリ『1億』オーバーまでもがぁっ!?」
爆発に次ぐ爆発で、一体何が対象となってそんな高値が付いたのか分からない、走る一財産が分け隔てなく鉄屑と化していった。
その前に何でよりにも寄って今この時高級車が、そろいもそろって雁首並べてやがるんだ……!?
「辺りに構わず被害を撒き散らすとは……随分下品で、正気を疑う戦い方だな」
効果範囲が広いのだから、そして遠隔操作では爆破の有無しか決められないのだから、そう言われても改善しようが無いのだが……。
「そんな戦い方に、大義など無い!!」
それに―――この戦いで被害が出た理由が、『此方側』に非が有り自分には無いみたいな言い方が、ひどく癇に障る。
……横車ありで、文句付けさせてもらうか。
「お前にも大義はねえがな」
「……何?」
眉をひそめ、ロザリンドは俺の方を向いた。
流石にこの気に障る発言を、用は無いと突っぱねる気は無いらしいな。
「ボクの何処に大義が無いという! ただ決闘の相手のみを狙い、被害を最小限に抑える。罪なきものを傷つける事の無いこの剣法に―――」
「第1に。こっちの【漆黒爆弾】は誘導性が無いんだから、直進してりゃ被害が出るのは当たり前だろうが。撃ち落とすなり技使うなりで、被害出したくないならお前も避け方を考えろ」
「そんな理由ボクには―――」
「こっちは殺 “戮” の天使だぞ? 範囲デカイのは想像できるだろうが。此方より強いのに、爆破させるだけさせといて、周りも事も考えず正義の味方気取りか?」
「う……!」
ロザリンドがひるむ。
強いのならそれなりに回避手段は有るだろうし、ただ跳んで避けるだけで被害を誘発しておいて、騎士なんだ大義がどうだと誇るな、と突っ込むのは半分ぐらい間違いでは無かろう。
「第2に。そもそも何でこんな場所で襲いかかってきやがった? 相手の力が分からないなら、予想外の事態でも被害が押さえられる場所を選べや」
「その誘いに君達が乗るとも限らな―――」
「だが唐突にけしかけて、今みたく己も原因の一つになるよかマシだよな? と言うか場所を選べと、最初に忠告したよな?」
「うっ……!?」
そもそも―――というか、これが一番の原因だ。
己が被害拡大、及び戦闘開始の発端であるくせに、なぜ此方ばかり悪者にさせられねばならない?
「大義が無いのはお前も同じだ。同じだ……な?」
「……」
ロザリンドは黙りこくる。
「
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