第3章 リーザス陥落
第68話 ジオの町の異変
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タイヘン ショウモウシテイマス。 キュウソクガ ヒツヨウデス」
主に従うのがガーディアンなのだが、この時シーザーは違った。主の指示より、主の命を優先したのだ。
「………」
イシスも同じ気持ちの様で、無言だが頷いた。
「さ、サテラはいいっ! あそこまで、いわれて……っ 引き、下がれるか……っ!」
あの電磁波の痛みに時折表情を歪めつつも、逃げる様な事はしなかった。
そして、ここに留まっている理由はまだある。人間達の殲滅もそうだし、聖武具もそう。……そして。
「(そ、それに ゆ、ユーリも、つれて帰らなきゃいけないんだっ……)」
小声でぼそっと呟くサテラ。
勿論、それは室内だったからか、或いは彼女達独自のセンサー? でも働いたのか、3人の乙女達には気づかれており、ユーリの前で身体をはる様に立ちふさがった。連れて行かせない! と言わんばかりに。
「ぐぅ……!!」
サテラはそれを見て、悔しそうに更に表情を歪めた。そして、ユーリの顔を、目を見る。今まで何も言わなかったユーリ。
サテラと目があったその時。
『……去れ。あの娘の元に』
その声が頭の中に響いてきた。ユーリのものではない、あの男のものが。
「っ……!!」
そして、ユーリは笑っている様に見えた。あの声が言った逃げるのを催促するかの様に。
「がははは! 生意気な事を言いやがって、木偶の坊のガーディアンと共に倒してくれるわ!」
「お、お前なんか、大したことないんだ! シーザーとイシスが本気になればっ……うぐっ」
ランスの声に反応して言い返すサテラ。だが、顔色はどうしても優れず、時折ふらついている。
「サテラサマ、 ヤハリ ショウモウシテイマス。ココハ テッタイ シタホウガイイデス」
「なにをっ! さ、サテラは……っ」
まだ、サテラは首を縦に振らない。
精神的にも体力的にも消耗し尽くしている筈なのに、意地だけで立っている様だった。だが。
『身の程を知れ。……魔の者よ』
「っ……!!」
再び、あの声が聞こえてきた。
『好感を持ったとは言え、これは気まぐれと知れ。……我の気まぐれなど、長くは続かん。……その身体で この場をどうにか出来ると。……そして、我をどうにか出来るなどと、本当に思っているのか? 魔の者よ。それに、あの時、言っただろう 我と貴様らとでは次元が違う。……去れ』
それは、明確な力の差を思い出すのには十分過ぎる声だった。イシスやシーザーにもその声は届いており、素早くサテラの身体を抱えた。
「な! おいコラ! 逃げる気か!」
その行動を見て、ランスは叫んだ。倒れていたセルとクルックーも起き上がってきて
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