第3章 リーザス陥落
第67話 魔人の涙
[7/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
隙あらばシィルを助ける』 それを狙っていた筈だけど、思わずトリップをしてしまい、順応出来ず 動けなかったのだ。明らかに 今 隙だらけなのに。
「ふ、ふふふふ。よし、イメージ出来たぞ! こ、これで行こう! 大丈夫だ。さぁ、いつでも来るがいいさ! ユーリっ!!」
今度は 妄想世界から帰ってきたのだろうか、何やらガッツポーズを決めつつ、そう宣言するサテラ。……今まさに 目の前にいるのだが? と一瞬思ったユーリ。それに、これは話さない方がいいかも、地雷かも、とも思ったユーリだが、そう言う訳にはいかない。
「もう、来てるんだが」
「………へ?」
この時、漸くサテラは、焦点を合わせる事が出来た。
さっきまではただの通路だったハズ、誰もいなかったハズ。でもでも、目の前に確かに誰かが立っている。
「………だ、ダレ?」
「いやだから、オレだ。ユーリ」
「……え、え? グ、 グール?」
「なんで 動く死体なんだよ! それに、それ、字数しか合ってないだろ」
「………」
ユーリの冷静なツッコミを訊き、サテラに、冷や汗がばんばん流れ出ているのが判る。目は見開いて、更には震えている様だ。
――……なんで サテラが震えてるんだ?
と更に思ってしまうユーリ。これも仕方がないのである。彼、どこまで言っても超鈍感だから。
サテラは ユーリの顔をじぃぃ、っと見て、間違いなく目の前、部屋の中に来ている男が 間違いなく彼だと言う事を認識した。
「なな、ななななっっ!!!」
口をあんぐりと開け、顔を自分の髪の色のよーに赤くさせた。
「約束通り来たぞ。……さぁ、何やってたのか知らんが、シィルちゃんを還してもらおうか」
ユーリは、残り2つの聖武具を前に出すとそう言う。正直、状況を掴むのが難しかったが……、まずは目的を果たすのが先決だ。
「ゆゆ、ユーリさんっ……!」
シィルも勿論ユーリが入ってきた事に、助けに来てくれた事に気づいた。
でも、今の今までサテラの様に妄想ワールドに入っていたから、どうしても恥ずかしさだけが残る。そんな無防備な姿を見られてしまったのだから仕方がない。……日頃、ランスに色々とヤられて辱めはそれなりに受け尽くして、耐性ができて〜とも考えられなくもないが、流石にランス以外に見られる耐性は出来てない様子。
「ああ、大丈夫だったか? シィルちゃん。……ランスが来てなくて悪いとは思うが」
ユーリはそう言うと、軽くウィンクをした。その真意は直ぐに伝わる。……ランスも直傍にまで来ている、と言う事に。シィルは、それが伝わって、頬を赤くさせた。
「ゆ、ゆーりっ! よよよ、よくぞここまで来たなっ! ほ、ほ、褒めてやろう!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ