エピローグ
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それから入学してから一週間経った。どうやらこの大学に入学式はないらしくそれなら早速と、アリスはルスティグの研究室で魔法科学を学ぶらしく、ルスティングの研究室に入り浸りだ。
そして俺、フォルツ・レープリカは。
「ねえ、フォルツ。」
「なんだよ。」
「何やってるの?」
「…昼寝。」
俺はルスティングの研究室のある棟の屋上でのーんびりと昼寝を楽しんでいた。それを呆れながらみるニナ。
「なんか講義とかとらないの?」
「別に。習うことなんてない。」
俺はそう言いながら寝が入りをうつとニナははあ、とため息をついて。
「それじゃあ、ほら、つまらないよ。」
「…だったらアリスについて行けばいいだろ?俺は少し…考えたいんだ。」
「は?何を?」
ニナが不思議そうに聞いてくるので俺は少しだけ顔を上げて。
「自分の気持ちと…自分の中に巣食うあいつのことを。」
「ありゃ?気付いていたの?」
ニナはイジワルそうな顔をして俺を見てくるのでため息を一つ吐く。
「あのな…俺は本人だぞ?気がつかない訳がないだろう?」
「気がつかないと思ったのにな。」
ニナは途端に悪魔の様に狡猾な笑みの顔になって話を続ける。
「まあ、トランスをしてフォルツが自分を見失わないだけ、まだ君の中にいるあいつは出てきてないよ。」
「…。」
「だけど。」
そう言ってニナは少し間を置いてからフォルツを見て。
「あいつの方がフォルツ。君より強い。それはフォルツ。君が何より分かってるんだろう?」
「…ああ。」
俺の中に宿る物。あいつは強い。
屈託無い笑みを浮かべて、大鎌を振り回して敵を残滅する。そんな奴が俺の中に宿っている。
その力はトリニティや五強に匹敵する。…とは思う。五強やトリニティの力を見てそう思うのだ。
「きっとそうだな。」
俺は寝ながら手を上に突き出してみる。その手はもちろん虚空を切るけど何かおかしく感じた。
何がおかしいのか分からないけど。
「あの力が無くても強くなる…。いや、溺れなくても強くなる方法があるのか…。」
「随分とロマンチストだな。」
「…。」
俺はその声の方に目を向けるとそこにいたのは腕を組んで扉に寄りかかる青年。
この学園の生徒会長ヒカルだった。
「…何の用だ。」
「いや、少し手伝いをして欲しくてな。」
ヒカルはそう言って説明を始めた。
「その前に武道館に来てくれ。」
そう言ってヒカルはニヤリとした。
…この世界は戦闘狂が多いな。
そんな事を思ったフォルツだった。
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