Fate/stay night
1129話
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いかない!」
何とかの一つ覚えのように殺させないと告げてくる衛宮に、思わず溜息を吐く。
「そう言って、この前の戦いでこのワカメを見逃した結果がこれだぞ? お前があの時にこいつを見逃したせいで、学校の結界が発動して生徒の多くが生きるか死ぬかという状態になっている。更に言えば、あの時にお前が見逃させた結果、綾子は人間すらやめている。……そう言えば、屋上で話していた責任云々ってのはどうなった? お前が綾子を人間に戻してやれるのか?」
「それは……けど、殺すのは駄目だ!」
「本当にお前はそれだけだな。まずは自分のやるべき事をやってから自分の欲求を口に出せ。結局お前はこのワカメを逃がす事による責任を取ると言いながら、何も出来なかった。……いや、しなかったという方が正しいか。そうである以上、口だけのお前の言葉に従う必要は、とてもじゃないけど感じられないな」
俺の言葉に唇を噛み締める衛宮。
「そもそもだ。本当にこのワカメを俺に殺させたくなかったんだったら、こういう風になる前にお前がこのワカメを見つけるなりなんなりして、止めていれば良かっただろう? それも出来ずに、こうして俺が捕らえたところで口だけ出してくるのか?」
「それは……けど!」
「結局お前は……何だかんだと言っても、口だけでしかないんだな。それで最終的にやるべき事は、俺がこのワカメを捕らえたところで口出しをしてくる、と。救えないな」
「っ!?」
俺の言葉に一瞬黙り込む衛宮だったが、次の瞬間には手を真上に差し出す。
なるほど、何をやろうとしているのかは理解した。
確かにこの状況ではそれは正しい選択だろう。
衛宮自身の力では、どうやっても俺をどうにか出来る筈がないのだから。
だが……
「それは、遅い」
「来い、セイ……」
衛宮に最後まで言わせる前に、俺は視線をワカメに向ける。
顔面を俺に鷲掴みにされ、涙を流しているワカメ。
恐怖のあまりだろう。そのズボンは濡れており、地面に水たまりを作っている。
けど、お前はやり過ぎた。
結界の本体と思われる魔方陣をどうにかしようとしている凛に視線を向け……
「死ね」
その呟きと共に、グシャリとワカメの頭蓋骨は砕け、眼球がはみ出し、血や脳髄を噴き出しながら短い生を終えるのだった。
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