Fate/stay night
1129話
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……まぁ、脇腹を抉られている状態で何が出来るのかという疑問はあるけど、このワカメを逃がすくらいは出来るだろう。
だからこそ……
「どこへ行こうというのかね?」
何故か自然とそんな言葉が俺の口から出てくる。
それに疑問を抱きつつも、念動力を使ってワカメの動きを止める。
思い切り走ろうとしていたところで、強制的に身体の動きを止められた為に、げふっ、という苦悶の声を漏らすワカメ。
ただし、身体の動きそのものを止めている為に転ぶというような事はなく、立ったまま動きを止められていた。
「ひっ、ひいぃぃぃいっ!」
こっちを見て聞き苦しい悲鳴を上げる ワカメに1歩ずつ近づいて行く。
「お前がやったのは、この結界だけじゃない。他にも綾子を殺しかけたというのがあったな?」
「なっ!? べ、別に殺そうとなんかしてない!」
「ほう? ライダーに襲わせていたのは、何でだ?」
「そ、それは……べ、別に殺すまでやるつもりなんかなかったよ!」
「そうか? それに、さっきのお前の、凛を犯す云々という言葉を考えると、命までは取らなくても身体の方はどうなるかわかったものではなかったよな? だから……」
その言葉と共に、ワカメの目の前へと辿り着く。
そのままそっとワカメの頭部へと手を伸ばしたところで……
「慎二、ここか!」
「ちょっ、衛宮君。少し待って!」
「衛宮! こいつらをあたし達だけに押しつけるな!」
そんな声が聞こえてくる。
後少し……数cmくらいでワカメの頭部へと手が届くという時に聞こえてきたその声に、後ろを向く。
その時俺の表情に浮かんでいたのは、間違いなく面倒臭そうな表情だろう。
何故なら……
「アーク! 見たところ、もう勝負はついたんだろ! 慎二に何をしようとをしてるんだ!?」
そんな言葉を発する衛宮が後ろにいた為だ。
「衛宮!?」
俺とは反対に、ワカメの方は自分が助かるかもしれないと嬉しげに叫ぶ。
だがそんな声も煩わしいとばかりに、身体だけではなく顔も念動力で動きを止める。
一応呼吸は出来るようにしているので、死ぬような事はないだろう。
「何をしてるかって? これが聖杯戦争である以上、何をするのかは言うまでもないと思うが?」
「殺すってのか!?」
「そうだ」
「駄目だ! 絶対殺させはしない!」
その手に持ったモップをこちらに構える衛宮。
ただのモップであの骸骨との戦いを乗り越えられるとは思えない。恐らく、何らかの秘密があるんだろう。
だが……
「それは、俺に敵対するという意味でいいのか? 俺とお前は今はただの利害の一致から共同戦線を張ったに過ぎない。それを自分で破る、と?」
「そうだ! 慎二を殺させる訳には
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