第5章
冥界合宿のヘルキャット
第97話 夏休み、冥界へGO!
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お前もお前でまた自虐的になりやがって……。
「え〜!?じゃあ、イッセー君とは当分会えないって事〜!?そんなのやだやだ〜!!」
眷属じゃない鶇さんがそうごねてきた。
「ウフ、良かったら、眷属じゃない貴方達も一緒にどうかしら?」
「行く〜行く〜!」
「行きまーす!」
部長の言葉に満面の笑顔で答える鶇さんと神楽。
千秋や燕ちゃんも同行の意思を見せる。
明日夏も言葉に甘えて来る意思を見せたけど、正直、他の四人に比べて反応が淡白だった。
「俺も冥界に行くぜ」
「アザゼル先生!?」
いつの間にか、部長席に先日から俺達オカルト研究部の顧問になった堕天使の総督のアザゼル先生がいた!
「貴方いつの間に!?」
「フン、俺の気配を感じられない様じゃ、やっぱり修行が足りない様だな」
アザゼル先生はやれやれと言った様子で息を吐いた。
とりあえず、松田と元浜に部活の合宿で海に行けない事をメールしておくか。
━○●○━
「冥界も列車で行くんですね」
俺達は今、冥界行きの列車に乗っていた。
普段使う最寄りの駅に行った時は「冥界に行くのになんで駅?」と首を傾げていたが、まさか冥界行き用のホームがあったなんて。しかも、二階建ての駅の地下にあった。
そして、そのホームに来た列車に乗って、現在に至る。
「新眷属の悪魔はこの正式なルートで入国する決まりなのですわ」
え、俺、前にグレイフィアさんの魔力でジャンプして来てしまったんですけど!?
「あれは魔王が用意した物だから、特例扱いなってるだろ」
不安になってきた俺に明日夏が淡々と告げる。
「明日夏君の言う通り、その件は特例扱いになっていますわ」
朱乃さんの言葉を聞いて、安堵の息を吐く。
良かった、着いたら即お縄頂戴なんて事態になるんじゃないかって思ったよ…。
ふと見ると、明日夏が悪魔の駅員さんからもらった弁当に全く手を付けていなかった。ただボーッと窓の外の方を向いていた。
ああ言う時って、大抵なんかで思い詰めてるんだよな。
鶇さんと燕ちゃんの事を見て見ぬふりをしていた罪悪感から二人にどう接しようと悩んでいた時もあんな風にボーッとしていた。
やっぱり、最近の余裕の無い感じの様子と言い、レイドゥンの事で思い詰めてるんだよな、きっと。
本当に大丈夫なんだよな?
よく見ると、小猫ちゃんも弁当に全く手を付けずに俯いていた。ギャスパーも気になったのか声を掛けていた。
その様子が今の明日夏と重なって見えてしまった。
小猫ちゃんも最近はあんな風に俯いている事が多いし、エロエロな俺へのいつものツッコミも鋭さが弱かったし。
小猫ちゃんも一体どうしたってんだ?
━○●
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