第5章
冥界合宿のヘルキャット
第97話 夏休み、冥界へGO!
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「………なんだよ……これ……?」
ふと気が付くと、俺は何故か真っ黒な空間にいた。
しかし、暗い訳でもなく、目は鮮明に見えていた。
だが正直、そんな事はどうでも良くなってきていた。
「………みんな……!」
俺の眼前には血まみれでボロボロのオカルト研究部の部員が倒れており、皆、息をしていなかった。
「ッ!?」
そこに千秋とイッセーがいない事に気付いた俺は焦燥感に囚われながら辺りを見渡して二人を探す。
「やあ、Boy♪」
「ッ!」
突然掛けられた声に体を強ばらせながらも声のした方を向く!
「っ……レイドゥン……!」
そこにはレイドゥンがおり、奴の足下には兄貴、姉貴、千秋、イッセーが倒れていた!
部員のみんなと同様に血まみれでボロボロだったが、微かに息はしていた。だが、そんな事は意味が無かった。
レイドゥンがやろうと思えばいつでも四人の命は奪われてしまうのだから。
「ふぅ、士騎冬夜は期待ハズレだったよ……。士騎千春と士騎千秋も兵藤一誠に危機が訪れればなにかかしらの変化をすると思ったが、こちらも期待ハズレだったよ。さて……」
やめろ……。
「君はどうなのかな、士騎明日夏君?」
やめろ……!
「君の守りたい物を全て壊した時、君にはどんな変化が生じるのかな?」
やめろ!
「少しは期待させてもらうよ」
やめろッ!
「では…」
奴の手が振り上げられる!
「レイドゥゥウウウウウウウンッ!!!!!!」
━○●○━
「ハッ!?」
目が覚めると、そこはいつも目にする自室だった。
「はぁ…はぁ…はぁ……夢…か……?」
体を起こし、さっきまで見ていた光景が夢である事を認識する。
「チッ……酷ぇ夢だ……」
いや、ヘタをすれば現実にそうなるかもしれない事でもあった。
『ずいぶんとうなされてたなぁ』
「……ドレイクか……。……悪いが、お前のおふざけに付き合う気は無い……」
ドレイクにそう言い、そのまま部屋を出て洗面台に向かう。
「……酷ぇ顔だ……」
洗面台に着き、鏡を見ると大分青ざめた様子の自分の顔が写っていた。
俺はとりあえず、冷たい水で顔を濯いだ後、洗面台に頭を突っ込んで頭から蛇口から出ている水を被る。
「ふぅ……」
大分すっきりした俺は蛇口を止め、持ってきたタオルで頭と顔を拭き、洗面台を後にする。
歩きながら先程見た夢の事を思い出す。
「……絶対に現実になんかにはしねぇ……!」
別に奴をこの手でなにがなんでも仕留めたいとは思わねえ。どこの誰が奴を仕留めようがそれも構いはしねえ。だが、奴が俺
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ