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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第66話 サテラの思惑
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か、ただただ 頬だけが赤く染まっていた。ずっと 思っていた事だが、実際に来る事を考えたら、仕方がないのである。

「お願い、離してっ! ランス様の所に返してっ!!」

 シィルが暫く騒いだ所で、漸くサテラが気づいたのか。……或いは集中? していたのを邪魔された、と思ったのか。

「う、うるさいなっ!! 今サテラは、一世一代の場面なんだ! 静かにしてろっ!」
「なっ、なんですかっ! それ!!」
「お前が知る必要などないっ!」
「うぅ……、ランス様、ユーリさん……助けて……」
「っ……!」

 サテラの身体がぴくっ!と動いた。

「(……そうだ、ユーリの傍にはあのバカいる。……あのバカも 着いてくる可能性が高いんだ。幾ら指定しても……、ユーリは頭がキレそうだし。……嫌だ。あ、アイツ以外が来るの)」

 サテラはそう思うと同時に シィルの方を見た。

「ふん! 指定したのは、ゆ、ユーリだ! あのバカはココには来れない。それ以外の連中も! し、シーザーとイシスそうするように言ってあるっ! (……すぐにだ。急いでシーザーたちに、言っておこう。ゆ、ゆーりだけは直ぐに通す、聞かないなら、この娘の命使ってでも、って!)」

 サテラはそう考えた。

 ユーリの性格についてはよく理解したつもりだった。以前、戦った時も 自分より遥かに弱い人間たちを守っていた。どんな仲間でも決して見捨てないと言う事。……見捨てない、と言う感情は判らない事はない。

 主君であるホーネットの事を考えたらそうだ。

 だから、サテラはシーザー達に命令を追加する事を考えていた。シィルの命を使った脅しへと変える様に。

「で、でもっ! ユーリさんなら、きっと何とかしてくれますっ! ランス様にとっても、他の皆さんにとても頼りになるお人なのですっ!」
「ふ、ふんっ! アイツ、ユーリの事は認めるが、他は弱っちい馬鹿ばかりだ! そ、それに、ユーリは、わ、わ、わ わたし、がもらうんだっ!! 聖武具とい、いっしょにっ!!」
「……ええ!」
「っっ!! ちがうっ! ご、ごかいするなよっ!! 人間とは言え、アイツは多少は強いんだ!! ほ、放っておくと、後々めんどーになるかも、だからだ! 他意はないんだっ!」

 サテラは慌ててシィルにそう言うと、ぷいっ! と顔を反らせた。


 その言葉と仕草を見たらよく判る、はっきりと判る。サテラがユーリに好意的だと言う事が判る。

 シィルはこんな状況だというのに、縛られ吊るされている状況だというのに。すっごく怖い状況なのに。

 サテラの仕草を見て 思わず ほっこりとしてしまっていたのだった。




 ただただ、かなみの事、志津香の事を考えると……、ちょっと複雑な部分も持ち合わせているのだ
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