第3章 リーザス陥落
第66話 サテラの思惑
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間にしてくれたんだ! 本当にありがとうございました!」
「……いえ、私は ユーリとの約束を果たしたまでです」
クルックーは、リスの笑顔に無表情でそう返す。だけど、心なしかその表情は穏やかだった。
「そう、か。約束か。……オレからも礼を言うよ、ありがとう。クルックー」
「……いえ」
視線だけがきょろっと動くクルックー。だけど、表情はやっぱり変わらないポーカーフェイスだ。
「流石、クルックーさんです。私も見習わなければいけません……。全ての者に等しく平等に手を差し伸べる。そして、縋ってくる者達も必ず見極めて……、リスのウーさんのこともしっかりと見た上でのこと、だったんですね……」
セルは、両手をぎゅっと握ってそう言っていた。
話を聞く限り、相手はリスと言うモンスターだったのだろう。その運命を捻じ曲げる様なことは決して褒められたものじゃない、と感じるが、彼の熱意とクルックーの慈愛がこの結果を生んだのだと思ったのだ。
「………」
「ぅ……」
なんだか、変な?空気だ、と感じたかなみと志津香。
一先ずクルックーが赤らめたり、反応を見せなかったから、とりあえず良しとした。……クルックーを知っている者からすれば、十分反応してる、と思えるんだけど、その辺はご愛嬌。
「で、でも……、信じられないわ」
かなみは改めて驚いていた。
あの時、確かにクルックーに転生の壺なる存在をきいていたんだけど、話半分程度だったから。だが、結果的には最高だ。……これで、聖武具を取り戻すことが出来るのだから。
「僕もそうだったよ! でも、やれば出来る。神官様のおかげだけど、諦めずに最後まで頑張れば、願いは叶うんだって事、そしてローラへの愛が僕を支えてくれたんだ。……もう、誰も僕たちの愛を邪魔することは出来ない筈だよっ!」
ウーは、八重歯をみせながら、本当に良い笑顔を向ける。あの時の、モンスターだった頃の彼とは比べ物にならない種類の笑顔だった。達成感に満ちいて、自信にも満ち溢れている。
一人前の男の顔になっている、と感じた。覚悟と責任を取れるだけの男に。
「ローラと結婚して、幸せな生活を送るんだ! これで、何も文句はないよね? ランス! ユーリ!」
「ああ、そうだな。……よく、頑張ったな。おめでとう」
ユーリは微笑ましそうにそう言う。
この時のユーリを見て、顔とその言動・雰囲気。そして何よりその優しさを見て、やや悶えてしまう女性陣だった。トマトと志津香は、話について行けてないから、尚更その表情がダイレクトに入ってきているらしいから、さらに高威力。。
「いーや、オレ様は文句があるぞ!」
そんな時、ランスが異議を唱えていた。まさか、異議を唱えられるとは思ってもなかっ
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