暁 〜小説投稿サイト〜
千年の魂.
第二シーズン〜時空大冒険〜
第七章 【ロストアビリティー】
第二十六話《ウエディングにはケーキを所望する》
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「龍明!魁斗!お前らは、左の臼みたいな奴!
俺と空音が真ん中のベロを出してる奴!
風刹とエリカティーナは、右のハゲを頼む!
しんどいと思うが何とか勝つぞ!」

そして、その声に駆り立てられ六人は三手に分かれて立ち向かう。

「「「「「「「「戦闘開始だ!!!」」」」」」」」


* * *


「もちもちもちもちもちもち!!!」

臼から顔手足をはやした男は、謎の掛け声をかけながらウエディング龍明に突進して来る。
その速さは、見た目に見合わず速い。

「ちっ、だりぃな!」

龍明は、そう呟くと、姿勢を落とし自分の背後で右拳を固める。高さは、自分の頭とほぼ同じ。視線を一点に集中し、時を待つ。

「もちもちもちもちもちもちもちもちもちもちもちもち」

餅男と龍明の距離が5メートルをきる。
その瞬間、龍明は目を見開き、視線の先に向かい思い切り飛び出した。
餅男と龍明の距離は、あっという間に縮まり、餅男の胴体(臼)と龍明の右拳が空気を振動させ衝突する。

ドゴオォォォォォォォォオオン!!!

両者は、それぞれが受けた衝撃によって、後ろに弾かれる。
龍明は体勢を立て直すため、地面を手で弾いて身体を浮かせて、後ろ向きに身体を一回転させて着地する。
龍明は、餅男を見る。すると、餅男の胴体に(ひび)が確認できた。

龍明は、それを見逃さない。再び飛び出すと、罅に思い切り踵を落とす。

ガスッッッ!!!

龍明の一撃は、確実に罅の芯を(とら)える。
そして、みるみるうちに、罅は広がり、餅男の胴体は激しく弾け飛んだ。

その時、龍明は、餅男の顔がにやけている事に気がつく。

弾け飛んだ胴体は、臼なので、言うまでもなく木製だ。それが、弾けた瞬間、木の棘へと変形し龍明を襲う。

「くっ!はめられたか!」

グサッ!

弾けた、木の棘のうち一本が龍明の左肩に刺さる。
龍明は、痛みにより少し声を漏らしたが、それに耐える。そして、次々とこちらに向かってくる、木の棘に対処する。

龍明は、地面へと拳を叩きつけ、衝撃波を発生させ、木の棘を全て、バラバラの方向へと弾き飛ばす。
そして、餅男と再び距離をとり、地面に膝を着き、左肩をおさえる。
そこには、かなりの血が滲んでいる。

「こりゃ、左腕は使い物になりそうにねぇな」

この時、龍明は、ほとんど勝機を失ったにも等しかった。相手は、邪襲の幹部だ、基本的ステータスも経験もあちらの方が数段上だ、万全の状態で戦っても、勝機は僅かだったのだ。それが、この状況、絶望的といって間違いない。

「へぇ〜、俺の臼を破壊するとは、なかなかやるね、お前、もちもちしてていいねぇ〜」

龍明の目の前に現れたのは、臼の中身。

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