31話
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「・・・あら?普通じゃない」
と、少しつまらなさそうに言う。
「これを「オレに」半分食べさせるんですよ」
とおれが言ったら、すっとケーキをすくい俺に持ってきた。
「はい?あーん」
「ぐっ。・・あーん」
と口の中にケーキを入れられる。何故だろう。凄く屈辱的な感じがするのは。
これを半分食い終わるまでずっと「あーん」のリピートなのでほんとに周りからの視線が怖いのと、ニヤニヤしながらずっと「あーん」を言い続けてきてそれを返す恥ずかしさがヤバかった。
「あら、もう半分なのね。無くなるまでしたかったなぁ」
「・・・もう帰りてぇ」
「そういえば残りの半分は?」
「普通にタベルダケデスヨ?」
「急に片言になったのは何故かしら?まさか、嘘ついてる?」
「いえいえ、まさかそんなお嬢様に嘘をつくなんて恥ずべき事を仰るなんてあろうございません」
「なにかいろいろ混ざってるわよってあら?」
とメニューを見る楯無さん。
「こんなところに(の)って書いてあるのは何?」
「・・・逃げるが勝(ry」
「逃がさないわよ?」
と脱兎の如く逃げようとする俺をがっしり掴み、結局食べさせる羽目になった。そして周りの声が「なにあれ?本当にお嬢様みたいじゃない」とか、「あんなのやらせるなんて・・・最高!」など、色々言っていたがなるべく聞かないようにしていた。それでも口に運ぶたびに本当に嬉しそうな顔をする楯無さんの顔は忘れられなかった。
そんなこんなで休憩が入り、少し一人になろうと正面ゲートの近くを通っていると、虚さんが誰かと喋っているので見てみると、なんと一夏の友人である五反田弾だった。前、一夏の家に遊びに行ったら行く途中であったのでお互い自己紹介しそのまま遊んだ覚えがあった。
「おーい弾ー何してんだー?」
「あ!泰人か!」
と何故か救いの目で見られる。なんで?
「あ、枢木くん。貴方の知り合い?」
「ええ。すいません。弾。これだろ?」
とポケットの中からすっと渡す。
「すまんすまん、渡し忘れてたんだよな」
「お、おお!ありがとう!」
と渡してるのを虚さんは見て、
「今回はそれで良いけど次は無いからね?」
「はは。すいません」
「す、すいません」
と、俺と弾は謝るが、弾は照れ臭そうに言っていた。あ、虚さんに惚れたな。
と、タイミングが良いのか電話でシャルから戻ってきてほしいとのこと。
「な、なに笑ってるんだよ」
「いやいや。じゃあ俺はこれで。あ、虚さん。暇なら少し弾に案内してやってくれませんか?俺と一夏と弾で行きたか
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