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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
外伝
外伝《絶剣の弟子》C
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ことは知っていたが、メンバーを紹介されたことは無かった。

「よ、よろしくお願いします」

 互いの自己紹介が終わった辺りでユウキさんとアスナさんが戻って来た。アスナさんは少し疲れた様子だったが、嬉しそうなユウキさんを見て微笑んでいる。

「こんにちはアスナと言います。よろしくね」
「はい。よろしく、お願いします」

 アスナさんから差し出された手を握り返した際、彼女の顔を初めてまともに見て思わず一瞬言葉に詰まってしまった。アスナさんはーー正確に言えば彼女のアバターは、なのだろうがーーとても端正な顔つきをしていた。ALOのアバターはランダムパラメーターとは言え、ブサイクを探す方が至難の技だ。とは言え大半は無難な顔立ちになるものだが、彼女のアバターはランダムパラメーターが起こした奇跡と言って良いだろう。

「ライトー?アスナに見惚れるのは良いけど、アスナは彼氏いるからねー?」
「え??いや??別に見惚れたとかは……??」
「ちょっとユウキ!からかわないの。まったくもう……」
「ちなみにこいつらも夫婦だからな」

 アルセさんがセインさんとシウネーさんを指差す。するとセインさんは少し照れたように頬を掻き、シウネーさんは思いっきり顔を伏せてしまった。

「アルセ、ALOに結婚システムは無いよ」
「知ってるよ。言葉の綾だ」

 ……いやまあ、周囲がリア充するのは一向に構わないのだが、出来れば巻き込まないで欲しい。不快とは思わないにしても居た堪れなくなる。

 ひとしきりコミュニケーションを取ったところで早速出発することになる。当初の助っ人参加予定ではアスナさんだけだったそうだが、アスナさんはスキルの半分を自身の白兵戦用に割いてる為、支援特化のシウネーさんが新たに参加。前衛が少し薄いということで近接特化のアルセさんと攻守支援と万能型のセインさんが加わってくれたらしい。ウンディーネは種族の固有スキルによって支援無しでもある程度水中で活動出来る。これだけ揃っていると頼もしい限りだ。

「それじゃあみんな、行こう!」

 水中での活動を支援する魔法をかけてもらうとユウキさんを先頭に、1人ずつ海中へ飛び込んでいく。
 武具を鍛える為のクエストも残り僅か。そして、俺はこのクエストで初めて《レイドボスモンスター》と相対する。
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