外伝
外伝《絶剣の弟子》C
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ど……戦闘中に吠えられると、同一フィールドの同系統モンスターがわらわらと来ることが……」
ーーーオオオオオォォォォン……
「……それ、先に言ってくれません?」
「……てへっ」
キレた。後頭部に手をやって舌をチロっと出してるその仕草はとてつもなくグッと来てドキドキするけど、それは置いといてキレた。
「とりあえず空に逃げれば大丈夫ですかね」
「ふん。ひょうはいのふれすしゃえひょへれははいほーふ。いはいいはい」
何だろう。怒りを込めて両頬を引っ張ってるのに、にこにこしているユウキさんを見ていると敗北感を感じてしまう。
上空上がり、強風に煽られながら待機する。眼下では20体あまりのフェンリル・ブリザードがワンワンとこっちを向いて吠えたぎっている。……もしかしてこれは俺たちがここにいる限り増え続けるのではないだろうか。
「あの、ユウキさん。集合場所変えてもらった方が良くないですか?これだと落ち着いて合流も出来ないと思うんですけど」
「え?うーん……一応知らせるけど、大丈夫じゃないかな?」
「…………」
もういい加減慣れたが、ユウキさんの仲間という時点で察するべきだった。多分、相当のやり手というか……鬼のように強い人なのだろう。
「あ、来たよ」
ユウキさんがそう言った途端、眼下のブリザード・フェンリルの群の端が"爆ぜた"。
青白い爆散エフェクトはモンスターが倒された時に生じるものだ。
現れたプレイヤーは男女4人。
先頭で暴風のように暴れているのはウンディーネの女性だ。ウンディーネのフィジカル面のハンデを何それ美味しの?と言わんばかりにモンスターを素手で殴り倒している。
すぐ後ろは水色のコートをなびかせ、2本の剣を自在に操る同じくウンディーネの男性だ。二刀流や双剣と言ったカテゴリのスキルは今の所実装されていないが、彼の剣技はソードスキルのような鋭さがある。
後方に控えているのもウンディーネの女性2人。木の枝のようなワンドを持った水色の髪の女性と長杖を持ち、ローブを羽織った薄水色の髪をした女性だ。ワンドを持った女性の装備はメイジのものではなく、軽装戦士のものだが……防御力はあまり変わらない筈なのに、メイジ用防具の専用スキルを捨ててまでそれにした理由は一体……。
その答えはすぐに出た。軽装戦士防具の女性は隣に立つ長杖のプレイヤーに声を掛けると、ワンドをストレージにしまい、剣を取り出した。それを腰に吊るすと目にも留まらぬ速さで抜刀した。そして、陸上のクラウチングスタートのような姿勢になるとーーー煙に包まれた。
「…………っ??」
いや、違う。煙の正体は降り積もった雪が舞い上がったもの
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