外伝
外伝《絶剣の弟子》C
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ズベットさんのところかな」
いずれにせよ彼女にも謝らなければならないし、ユウキさん以外の知り合いと言えば彼女しかいない。幸いにして彼女の店はこの近くだ。
覚悟を決め、1歩踏み出したその時。
「見つけた」
ガシッ、と肩を掴まれた。後ろから聞こえたのは、かなり聞きお覚えのある声。間違いはしない、その声は俺を導き、ここまで引っ張って来てくれた人の声だ。
「……ユウキさーーんぐっ??」
振り向こうとするとユウキさんの指が頬に刺さった。肩を叩いてその方向に振り向こうとすると指が刺さるあの悪戯だ。
「あははは!」
「……何するんですか」
「いやー、ライトがなんか緊張してるみたいだったから」
「真面目な話をしに行こうとしてたんですから当たり前です」
「あー、昨日のやつね。うん、なんか事情があったのは分かったよ。気にしないで良いって」
あっさりと、簡単にユウキさんはそう言った。
「リズも気にしてなかったし、むしろ心配してたから。ライトがそんな深刻そうな顔すること無いんだよ。ここは、VR世界はゲームだけど、面と向かって話せるし、相手の表情や雰囲気も伝わって来る。言わなきゃ分からないこともあるけど、言わなくても分かることだってあるんだよ」
「……はい」
何故か得意満面でそう言うユウキさんに俺は素直に頷いた。仮想アバターの体がずっと軽くなった気がした。
「さ、昨日中断しちゃったクエスト片付けに行こう!」
「はい!」
それから3日後。素材もあらかた集め終わり、主なものは残り2つとなった。1つはウンディーネのプレイヤーの協力が必須な為、ユウキさんの親友だと言うプレイヤーに協力して貰うことになった。
「相変わらず寒いねー。ここは」
「そうですね」
待ち合わせ場所のクエストスタート地点にて、分厚い毛皮のコートを羽織り、その人を待つ。
「ん?」
目の前の景色が僅かに歪む。モンスター出現の兆候だ。数は5。
「ユウキさん」
「おっけー、任せたよ」
新防具と武器は完成していなかったが、盾だけは既に武装が更新されていた。赤と白を基調としたバックラーを前に構え、臨戦態勢になる。次の瞬間、僅かな閃光と共にモンスターが出現した。
《ブリザード・フェンリル》ーーここら一帯でよく見かけるMobだ。
「はっ!」
ポップするなり飛び掛ってきた1体をソードスキルを発動し、迎撃する。カウンターアタック判定により攻撃力がブースト。通常のソードスキル攻撃時より重いサウンドが響き、飛び掛ってきたブリザード・フェンリルが跳ね返され、HPが大きく削れた。
吹き飛ばされた個体が復帰するまでに、更に2体のフェンリル・ブリザ
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