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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
二十話 ー復讐のダーク・ヒーローU、ですー
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り得ない。強い突風が起きて相手を吹き飛ばすくらいが関の山だ。
だが現に男がいた周辺も地面が砕かれ、特にセイヴァー・デモン・ドラゴンの攻撃が着弾した地点には大きめのクレーターができている。

デスガイドはそれらの事実から一つの仮説へと行き着く。

「まさか……」

俗に言うサイコデュエリストの様な幻影を物質化させるような能力かもしくはそれに近い力が備わっているのではないか?

それが先天的なものなのか、所為転生特典のような後天的なものなのかは特定はできないが、それを本人が気づいていないとなると少々厄介だ。
今回は人に対する被害は出ていないもののもし、何かの手違いで友達や親しい人物を傷つけてしまえば、この少女は心に深い傷を負う事になるだろう。

「まぁ、それで塞ぎ込んでも言葉巧みに誘導(洗脳)して私一人にのみ注意を向けるようにすればいいんですけどね〜」

ツンデレもいいですが、デレッデレの優希さんも最高じゃないですか!というわけでである。今のデスガイドにとって、どこの誰がどうなろうと知ったこっちゃないのだ。彼女の溺愛する優希さえ手に入ればオールオーケー。

「ま、とりあえず現状に満足してるんであまり物騒な事はやめましょう。下手打って優希さんに愛想尽かされたら絶望ですからね〜」

これからもこの少女をすぐ側で見守って行こうと内心で誓いうと、腕の中で眠る優希へと視線を向け、だらしくなく頬を緩ませる。

「今は、このままで……」

もう少しだけ幸せな時間を味わっていようと考えている矢先、幾つもの足音が聞こえてくる。


「目標発見!例の襲撃犯はどうやら意識を失っている模様!他に少女二人と、LDS生徒三人を発見!」

「……わかった」


ビシリと敬礼を決め、報告をする制服姿の男と端的に答える赤馬 零児。
ここにきて、デスガイドは大きな失敗をしてしまった事を思い知る。
だが既に時遅く、周りをLDSのエリートクラスのメンツが取り囲み、一部も逃げる隙間はない。

精霊としての力を使えば逃げられない事もないが目立つ上に、満身創痍の優希がいるのだ。もし万が一があってはいけない。つまり、詰んでいる。

がっくりと肩を落とし、諦めたデスガイドを見て、零児は冷静な声音で話かける。

「……おとなしくついてくれると嬉しいのだが」

「はぁー、厄日ですかね?」

ため息と共に愚痴を漏らす。

デスガイドが幸せを傍受できるのはまだまだ先らしい。
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