1部分:第一章
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そうだ」
彼等はまた口々に女を批判した。しかも信和が言えなかったことを平然と言う。どうやらこの女をかなり嫌っているようだ。
「もう出て行けよ」
「次の駅で降りろよ」
「次の駅で降りたら会社に遅れるじゃない」
女はムキになった顔で言い返す。
「私に遅刻しろっていうの!?」
「その前に御前は他人の迷惑考えろよ」
「毎回毎回騒ぎやがって」
サラリーマンだけでなく制服姿の者もいる。今はラッシュ時で電車の中には信和と同じサラリーマンだけでなく学生達もいる。その彼等も女を批判していた。
「ったくよ、迷惑だからよ」
「降りろ」
こう言って本当に女を次の駅で強引に降ろした。とりあえずその日の不運はこれで終わった。だが次の日勤め先の会社で上司に問われたのだった。
「昨日電車の中で痴漢に間違えられたそうだね」
「あれ、何で御存知なんですか?」
「女の子達が話しているよ」
それでなのだった。
「女の子達がね」
「何処からそんな話が出たんですか?」
「ひょっとしてその痴漢だと騒いだのはやけに太っていて不細工な女なんじゃないかい?」
「何でわかったんですか?」
彼は上司がそのものズバリで言ってきたので思わず声をあげた。
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