Fate/stay night
1128話
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スターがわざわざ降伏するとは思えない。
何しろ、アサシンとキャスター、それにマスターが2人という、現時点で手数が最も多い奴等だ。
その上で柳洞寺という場所すらも抑えている。
だとすれば、間違いなくこっちの戦力を調べる為と、それを消耗させる為に……なるほど、廊下の骸骨もキャスターの仕業か?
「ああ。これでこっちの戦力はキャスターとライダーのサーヴァントが2人だ! 幾らお前がイレギュラークラスであっても、勝ち目はないぞ!」
「……本気でそんな事を考えているのか?」
周囲を見回しながら呟く。
幸い、この教室は生徒は他に誰もいない空き教室だ。
迂闊に暴れて、誰かを巻き込むなんて事は心配しなくてもいい。
それに、こいつの考え……というか、キャスターによる操り人形でしかないというのも分かった。
そうなると、もうこれ以上ワカメに付き合う必要もないだろう。
少し心配なのが、実はここにアサシンが隠れてこっちの隙を狙っている事だが……いや、その辺を心配しすぎても意味はないか。
寧ろ疑心暗鬼になりすぎて実力を発揮出来ないという事にもなりかねない。
「当然だろ? 何せ、僕の役に立つんだから、死んでいく奴等だって本望だろうさ」
嘲笑を浮かべているワカメを目に、口を開く。
「そうか、他にも色々と聞きたい事があったが……どのみち、お前をこのままにしておくと色々と被害が広がりそうだからな。……悪いが、お前はここで処分させて貰う」
「しょ、処分!? 僕を処分だって!? ふざけるな、僕を……この僕を! ライダーッ!」
一瞬で顔が赤くなったワカメの声に従い、ライダーがいつものように鎖の付いた巨大釘を俺の背後から投擲してくる。
けど、念動力を使えるようになった俺にそんな攻撃が通じる筈もなく、後ろを見もせずにそのまま回避し……ワカメに向かって1歩踏み出そうとしたところで、俺の真上を飛び越えるようにしてライダーが移動し、立ち塞がる。
「残念ですが、シンジをやらせる訳にはいきません」
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