暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Online 月に閃く魔剣士の刃
15 鉄剣制裁
[1/2]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
夜が明ける。地平線から日が昇り、日の光が辺りに溢れていく。
情報によって全て構成され、全てが架空であるはずのアインクラッドに置いてもそれは同じだった。
その朝日は見るものに感動と希望をもたらし、本来なら無反応であるNPCさえもその光を見て顔を綻ばせる。
しかし、それは必ずしも万人に訪れるものでもなかった。
「あ、アスナさん……?」
「何?」
「そろそろ勘弁を……」
「ダメ。まだ一勝もしてないでしょう?」
「ナハハハハハ。頑張るんだナ〜」
始まりの街の中央広場にいるのはどれも3人。ボロボロになりながら慈悲を乞う少年と、噴水の縁に座って高みの見物を決め込んでいる少女、そして細剣片手に天子のような笑顔を浮かべている悪魔がいた。
勝利条件:初撃決着モードのデュエルにてアスナから一勝
アルゴ:12戦目にて達成。
キリト:現在進行中。現在57連敗中。
これが後に語り継がれる鉄剣正妻である。
「というか、なんでアルゴはそんな簡単に勝てたんだよ……」
「いくらアーちゃんでもAGI極振りかつβテスターだったオレっちは捉えられなかったってことだナ」
決まり手は雷牙。アルゴがリニアーの始動モーションを完璧に見切り、スキル発動を待たずに叩き込むという見事なものだった。
余談だが、アルゴは自分の作る攻略本作成の過程で掲載されているクエストの約7割を自らソロでクリアしている。残りの3割の内、1割は攻略組からの報告、残り2割はキリトを強制連行してのコンビプレイである。
情報屋という立ち位置のせいで誤解されやすいが、彼女の実力は攻略組と比べても上位に食い込み、実際に攻略組が明確に組織される前の初期の頃にはボス攻略にも参加していたのだ。
ちなみに戦闘スタイルはアイテムによる搦め手を駆使してAGI補正が最大限掛かった格闘スキルを叩き込むというもの。普段は
隠蔽スキル
(
ハイディング
)
を駆使しているが、戦闘自体は意外と武闘派なのだ。
「さあて、そろそろいきましょうか」
にっこり笑顔を崩さないまま、アスナはメニューウィンドウを開く仕草をしてそのまま操作を始める。
数秒後、キリトの手元には無情なデュエル申し込み画面が開かれていた。
「……」
がっくりと項垂れながら了承のボタンをタッチするキリト。
同時にポップアップで60秒のカウントダウンが表示された。互いに二足分程の距離を開けて相対する。
「そろそろ本気出さないの?」
「出さないも何も最初から本気だぞ……?」
「あらら、嘘は良くないよ〜?」
やり取りの間ずっと笑顔を崩さないアスナに、キリトの背筋にゾクリとしたナニカが走る。
そんなこんなしてたら残りカウントが5を切り、システムがカウントを強調する。
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ