五話:人と機械
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に失敗した場合はこの街事アルカンシェルで消し飛ばす必要がある。ベストがダメならベターな手段を用意しておくべきだ)
切嗣はグレアム達に仮に自分達が封印に失敗した場合は闇の書をこの街事消し飛ばすように進言していた。
数え切れない人が犠牲になるだろうが60億人より少ないのは確かだ。
もっとも、それは本当に最悪の手段で管理局が出てくるなら、優秀な魔導士を使いなんとかさせるためである。
欲を言えばグレアムが指揮権を握れればいいのだがそれは微妙な所だろう。
(後は臨機応変に対応しておくべきだな。過度に緻密な計画は一度崩れると立て直しがきかないからな)
そう結論付けてロッテとアリアに暗号化したメッセージを送り盗聴器を片付ける。
下から二番目の引き出しを開け拳銃をどけて二重底にしてある部分にしまう。
拳銃はカモフラージュだ。現代日本で引き出しを開けていきなり拳銃が出てくれば誰だってそっちに注目するのが当然だ。
(しかし……僕は何をするべきかしか考えていないな。それに比べて騎士達は何かをしたいと心で決めていた。僕より遥かに人間らしい。しかし、そうすると僕は―――)
ふとした思考が頭をよぎり、それを必要ないと切り捨てようとしている自分に気づきさらに深い思考の泥沼に引きずり込まれてしまう。
“何をしたいか”ではなく“何をするべきか”で動く。
それはただの機械である、ただの現象である、それは人の生き様とは程遠い。
ならば何年も前に人の生き様を失った自分は―――
―――本当に人間と言えるのか?
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