五話:人と機械
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この身はどんなことでもしてみせよう。
(ようやく蒐集に動き出したか……)
切嗣は自室にてシグナムの部屋に仕掛けておいた超小型の盗聴器から受信を受けて情報を得ていた。
騎士達の尻に火をつけるためにはやての病状を話したのが功を奏した。
もし、騎士達がただの機械であれば従順にはやての命に従い蒐集を行わなかっただろう。
だが、騎士達は人間のように家族を想う気持ちをもって誓いを破った。
人の愛情を利用する手は腐るほど使ってきたのでやるのは簡単だった。
本来ならもう少し早くしかけてよかったのだがある都合で遅らせた。
まあ、若干闇の書からの働きかけがあったかもしれないが騎士達の想いは本物だろう。
(騎士達が全員で動くときは基本、僕は動けない。アリアとロッテに頼るしかないな)
今までは騎士達が常にはやての傍に居たのでその間に切嗣が動くことができた。
しかし、蒐集が始まった以上ははやての守りが手薄になる。
如何に闇の書の情報を隠蔽しているとはいえその力を求める者は後を絶たない。
仮に悪魔の頭脳を持った男が少し闇の書に興味を持っただけでも居場所は割れてしまうだろう。
守りが手薄な時にはやてを始末されでもすれば封印ができなくなってしまう。
さらに病状が悪化した際に周りに人が居なければそのまま死に闇の書に転生を許してしまいかねない。
そんなまぬけな結果だけは絶対に防がなければならない。
(しばらくは予定通りにはやてを監視しつつ様子見に徹するべきだ。ヴォルケンリッターが早々に負けるとは考え辛いんだ。わざわざこちらの手札を見せる必要もない)
いずれは騎士達と敵対することは確定しているのだ。もしかすれば管理局とも。
計画通りにいくのならばたいした労力もいらないだろうが戦うはめになればここで手札をさらすのはデメリットしかない。
戦場に置いての情報の価値は黄金よりも重い。秘匿するにこしたことは無いのだ。
例えそれが現状味方をした方が効率が良いような相手であってもだ。
もっとも、それも時と場合で変わるだろうが。
(高町なのはの情報は与えるべきか? いや、今は管理局に嗅ぎつけられるのを避けるために地球から遠い世界に行かせるように仕向けるべきだな)
しばらく騎士達の行動を不信がる演技をしておけば間違っても地球、海鳴市で戦闘を行うことはないだろう。
与えるとすれば時間が無くなり切羽詰まってくる時期。もしくはある程度余裕が出てき始めた頃。
どちらにしても今すぐではない。
ただ、終盤には管理局にも関わらせる必要が出てくる。
こちらは欲のある者に情報が渡らないように少数精鋭で居るが故に駒が足りないのだ。
(万が一にもあってはならないが封印
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