第六幕その四
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「心で人になるから」
「どんな姿形でも」
「そうだよ、人はね」
またポリクロームに言いました。
「その心で人になるんだよ」
「そして良心は」
「人を人にするその心のね」
それこそというのです。
「最も大事なものの一つだからね」
「それがないと」
「人でなくなってしまうよ」
「じゃあ僕が若し良心をなくしたら」
「人でなくなるよ」
まさにというのです。
「悪い虎になってしまうよ」
「やっぱりそうなるんだね」
「だから君は。私達皆がそうだけれど」
「良心をなくしたら駄目なんだね」
「そうなんだよ、今思うと」
魔法使いはふとです、この人のことを思い出しました。
「前のノーム王だったラゲドー氏はね」
「あの人は人じゃないの?」
「ううん、確かに底意地が悪くてとんでもない性格だったけれど」
考えるお顔でポリクロームに答えました。
「かろうじてかな」
「人間だったのね、あの人も」
「邪悪とまではね」
それこそというのです。
「いかなかったかな」
「邪悪なのね」
「邪悪というのはね」
考えながらです、魔法使いはポリクロームだけでなく皆にお話しました。
「もう人が人でなくした」
「そこまでの存在なんですね」
「オズの国にはいないけれど」
流石にです、そうした人が入られない様にそうした人が出て来ない様に誰もがいつも注意している国だからです。
「妖魔一族が近くなっていたけれど」
「ああ、あの」
「ノーム王と一緒に都を攻めようとした」
「あの一族ですね」
「今は記憶をなくしてから心を入れ替えたそうですけれど」
「外の世界にはどうしようもない位に邪悪になった存在がいるね」
まさに人でなくなった存在がというのです。
「吐き気を催す位に」
「漫画とかでね」
「そうしたキャラクター出て来るね」
「とんでもなく悪い奴が」
男の子三人がここで気付きました。
「そうした悪い奴がなんだ」
「実際にもいるんだ」
「そうなんだね」
「そうした存在には気をつけるんだよ」
魔法使いは皆に注意しました。
「そしてくれぐれも良心をなくさないようにね」
「わかりました」
「そのことは注意します」
「本当にいつも」
「人はなくしてはいけないものが多いんだよ」
良心以外にもというのです。
「そうしたものをわかっておくことも大事なんだ」
「魔法使いさんは持ってるわね」
ポリクロームが魔法使いに言ってきました、そのお話をする彼に。
「しっかりと」
「ううん、少なくともね」
「少なくとも?」
「確かに私はペテン師だったけれど」
それでもというのです。
「それで人からお金と盗ったり陥れたり殺したりしたことはないよ」
「そうしたことはよね」
「ないよ」
そ
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