5部分:第五章
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た。それがやけに目に入った。赤くて大きな文字だった。
「・・・・・・・・・」
「あの」
少女はまた声をかけてきた。
「!?何だい」
俺はその声にはっとして顔を彼女の顔に向けた。
「お金は」
「おっと、済まない」
ふとそれに気付いてかけてあるスーツから財布を取り出す。そして札束を数枚彼女に手渡した。
「悪いな、忘れていた」
「いえ。それじゃあ」
「シャワーかい?」
「はい。暫くベッドで待っていてくれますか?」
「それも悪くはないけどな」
彼女の魅力的なボディについ目がいった。するすると近付く。
「一緒に。浴びてもいいかい?」
「一緒にですか?」
「ああ」
彼女の耳元で囁く。買ったとはいえお互い楽しまなくちゃ損ってもんだ。男と女ってやつはどんな時であれ恋ってやつがなければ駄目だ。こんな仕事でも一瞬のことでもだ。そうでないと味気ない人生になっちまう。これが如何にもイタリア的だと言われるがそんなことはどうでもいい。
「どうかな。君が嫌ならいいんだけどな」
「いえ、それでいいですけど」
思ったよりサービスのいい娘だった。やっぱり紹介されるだけのことはある。
「それじゃあ一緒に入るか」
「はい」
そしてそのままシャワーを浴びながら楽しんだ。ひとしきり楽しんだ後で二人でシャワールームを出た。
「中々よかったよ」
「貴方こそ」
女の子を楽しませるのなら殺しの仕事より得意だ。殺し屋になる前はホストとジゴロをやっていた。
彼女はうっとりとした声になっていた。いいのは外見だけじゃなかった。服の下のボディはまた女神のものだった。
「こんなことって」
「今までの男とは違うだろ」
「はい」
熱い声で応えてくれた。
「けれどまだ終わりじゃないぜ。次はベッドで」
「ベッドで」
「楽しませてくれよ。存分にな」
「わかりました」
「けれどその前に一休みするか」
俺はそう言って部屋の冷蔵庫を開けた。
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