第五十話
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様な速さで飛ぶ。
俺は全力疾走で走る。
軌道上のトゲを手や足で払いのけながら王女の元へと走る。
王女は咄嗟におもちゃの人形を盾代わりに立たせるが、防ぎきれない。
「くっそぅ!」
俺は彼女に向かって飛んだ。
王女を抱え込むように抱きしめるとそのまま倒れ込む。
いくつかの衝撃を背中や足に感じると同時に、激しい痛みを感じた。
「大丈夫か? 」
俺は腕の中の少女に問いかける。
目を閉じた王女が眼を開き頷く。
どうやら怪我は無いようだ。
彼女を庇うように立ち上がり、蛭町の方を振り返る。
奴はまだ背中をこちらに向けたまま、発射の余韻に浸っているように見える。
俺は自分の体の具合を見る。
左肩に1本、背中に3本、右足に1本の太く長いトゲが突き刺さっている。かなり深く突き刺さっているため、少々動いても抜け落ちることはなかった。その一本に手をかけようとする。
「ぐがっ」
突然、突き刺さったトゲが動き出した。
ドリルのように回転し、さらに奥へとめり込んでいこうとし始めたんだ。
再び傷口から出血が始まる。
奴はまだ背中をこちらに向けたまま、発射の余韻に浸っているように見える。
俺は自分の体の具合を見る。
左肩に1本、背中に3本、右足に1本の太く長いトゲが突き刺さっている。かなり深く突き刺さっているため、少々動いても抜け落ちることはなかった。その一本に手をかけようとする。
「ぐがっ」
突然、突き刺さったトゲが動き出した。
まるで意志を持っているかのように、そいつはドリルのように回転し、さらに奥へとめり込んでいこうとし始めたんだ。
再び傷口から出血が始まる。
慌ててトゲを掴むと、力任せに引き抜いた。
肉が抉られるような音と激痛。思わず呻いてしまう。
引き抜いたトゲの先端を見ると、それは膨らみ無数の突起ができあがっていた。その返しになっている部分にねっとりとした物体がこびりついていた。俺の体内の肉を抉ったものだろう。
痛みに耐え、残りの四本も引き抜いた。
トゲが刺さっていた部位はぽっかりと穴が開いている感覚がある。しかし流れ出ていた血は直ぐに止まっていた。急速に負傷した部位の再生が行われ出している感覚。
「うぎょぎょぎょ、たすげて」
人の悲鳴が聞こえる。
とっさにそちらを見ると、全裸の漆多が転がり回っていた。 発射されたトゲの軌道上に漆多がいたのだった。
彼のお尻にトゲが突き刺さっているんだ。そしてそれは回転をし、彼の体内にさらに入り込もうとしていたのだった。
「大丈夫か」
俺は彼に駆け寄る。しかし思うように体が動かない。トゲの直撃を受けて負傷したため、まだ体が回復できていないんだ。
足を引きずるような感じで近づくしかできなか
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