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ネクストブリーフィング
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明確な意味を持っていなかった言葉に意味を与えたのは、銭形だった。

「こちらは、旧東側諸国の医療関連技術の売り上げですが、ある時を境に医療大国であるキューバを抜いて北日本政府が一位になっています。
 そして、これが川宮哲夫ですが写真をご覧ください」

 昔の川宮勝次とそっくりだった。
 親子というより双子と言った方が良いぐらいに。

「川宮勝次のクローンというのか?」

 首相の言葉に銭形が首を横に振った。
 それだったら良かったのにという表情で。

「川宮勝次に似せたマモーのクローンである可能性があります」

「証拠は?
 証拠はあるのかね?」

 首相の言葉に銭形が淡々と返事をする。
 その顔にはある種の説得力があった。

「北日本政府の諜報機関NSDと軍が対立しているのはご存知だと思いますが、独裁者は本来軍を信用せずに諜報機関を重宝する傾向があります。
 にも関わらず、川宮哲夫は軍についた」

「状況証拠ではないか!」

「ええ。
 状況証拠です。
 ですが、彼が直轄指揮下においている戦略ミサイル軍のICBMがタイタンである事の説明は?
 最後の切り札である核ミサイルを精度が良いとはいえ、東側から西側に変える。
 猜疑心の塊である独裁者がそれをみとめますか?」

「……」

 返事を返せない首相を見たまま、銭形は更にプロジェクターを動かした。
 そこには、隻眼の男が移っていた。

「ヤエル奥崎。
 東ドロア政府の工作員であり、ガラミティファイルの処刑人の一人。
 これはSRIからの提供ですが、この写真この間取られたものだそうで。
 で、こっちは東ドロア在籍時の写真」

 プロジェクターの中で、二つの写真が重なり一つとなる。
 誰も何も言わない。
 いえない。

「ドロア内戦は70年代。
 もうおっさんになっていておかしくないのに、この瓜二つぶり。
 東日本政府はクローンを稼動状態にあると判断します」

 核の次はクローンである。
 もう何が出てきてもおかしくないが、時間は誰にでも平等に流れる。
 銭形管理官の持ち時間はなくなろうとしており、彼はこの場での結論を首相に告げた。

「鹿内氏は『やられる前にやれ』と先の発言でおっしゃっていました。
 私が提案するのは、その『やる理由』の提示です」

「提示?」

 北日本のお家争いはあくまで内紛であり、外部勢力の介入という形になれば、建前上はこちらが悪となる。
 その為、北日本へ電撃侵攻する為にも、諸外国のみならず国民に分かりやすい理由が絶対に必要だった。

「はっ。
 北日本が合衆国軍への先制攻撃をかけた事で日米安全保障条約は発動して参戦が可能になります。
 私が提案するのは、北日
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