【ソードアート・オンライン】編
111 誠愛問答
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ぬ、不言実行≠体現していたんだよ。……グリセルダさんは貴方に前線へ出てほしい≠ニ、一度でも言ったか? ……貴方がそれ≠ノ気付いてくれると信じていたんだよ…っ!」
俺の声がフィールドに反響していたのを自覚し、それを誤魔化す様に咳払いを1つして──グリムロック以外の5人も置き去りにして、更に続ける。
「……でも貴方は、そんなグリセルダさんの──ユウコさんの信頼を踏みにじったんだ」
「そんな…っ、じゃあ私のした事は一体…。……私は、私はぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺の言葉がトドメとなったのか、グリムロックはその場に崩れおちる。……漸く自分のしでかした事≠ェ身に沁みてきた様でもあった。
根が真面目な人ほど許容量が低い>氛氓ニ云うのは俺の持論で、グリムロックは偶々俺の持論に当てはまっていたらしい。
………。
……。
…。
「じゃあ、俺達はこれで」
「グリムロックの処遇は私達に任せてください」
「ティーチ、助かった」
一件落着≠フ折り合いを見せた頃合い、カインズ、ヨルコさん、シュミットは各々に言う。
「ティーチ君、だったね。……最後に聞かせてくれ。……私はどうすれば良かった?」
「……俺がグリムロックの立場だったら、まずは鍛冶スキルの完全習得を目指していたかな。まあ、言うほど簡単な事じゃないけど。……このデスゲームを生きていくのは戦闘≠セけが必要ってわけでもないし──寧ろ職人系列の方が大切だったりするしな…」
そこで一旦句切る。
「そして、下を向いてうじうじ悩んでいる奴より、前を見据えて1歩1歩をしっかりと歩いている奴の方が格好いいだろう? ……人として、夫として──何より男≠ニして」
「っ……そう…だね。……出来れば、君の様な人間にもっと早く会いたかったよ」
グリムロックは憑き物が落ちたかの様な、晴れ晴れとした様子で語る。……それで漸く一件落着≠ニなった。
……しかし俺には懸念する事があった。
(≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫…。……これ以上このアイクラッドでのさばるのなら、俺にも考えがあるぞ)
「あ、まだやらなきゃいけない用が有ったな。キリトとアスナは先に上がっててくれ」
そう1人、内心でごちながらアスナとキリトを二人きりにできる様に一芝居打つのだった。
SIDE END
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