【ソードアート・オンライン】編
109 血塗られた林檎
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
SIDE 《Kirito》
――パキャァァン…
「バカな…!」
そんな俺の呟きには周囲のプレイヤーに気付かれずに電子の世界へと溶けていく。……否、むしろそれどころ≠カゃないのだろう。俺の──俺達の目の前ではそれくらいには有り得てはならない事≠ェ起こっていた。
……まず大前提として、このゲーム──だけではないが、少なくともこの【ソードアート・オンライン】と云うゲームには幾つかの仕様≠ェ有る。
まずは有名なところ、HPバーが消し飛ばされたら、《生命の碑》に示されている自分の名前横線が引かれて死に戻り≠ナはなく現実世界に横たわっているであろう自分の体の脳が破壊され、実際に死んでしまうと云うこと。……それはこの城≠ノ囚われている凡てのプレイヤーに当てはまる事である。
……例外が在るとするなら、それは蘇生アイテム≠使う事なのだが、今のところその蘇生アイテム≠ヘ俺達のギルドが握っている。……他にもドロップした≠ニ、聞かないあたり蘇生アイテム≠持っているのは俺達のギルドだけなのだろう。
閑話休題
HPバーの話はそこらへんとして、他にもルール≠ヘある。……圏内では特定状況下を除き、HPが減らない≠ニ云うこと。
……これは茅場 晶彦が戦闘に向いていない人達──つまるところの女性や子供、フルダイブ自体に向かない人達≠フ為に設定した仕様≠ネのかもしれないなどと、勝手に考えていたりする。……茅場 晶彦が史上最悪の人物には変わり無いが…。
また閑話休題。
話が二転三転してしまったが、俺は言いたい。……決闘などの特定状況下を除き、圏%烽ナ人が死んではならない>氛氓ニ云う事を。
……しかし、この世界≠ヘ残酷で非常である。俺達の価値観をまたとしても壊していった。……事実だけ簡潔に述べるのなら…
圏内≠ナ人が死んだ。
アスナから美味しいNPCレストランがある≠ニ誘われ、丁度暇を持て余していた俺はアスナの誘いに乗った。そしてその店で料理に舌鼓を打っている時にそれは起こった。
……外から甲高い──それこそ絹を裂いた様≠ニな修辞的表現が一番しっくりくる悲鳴が聞こえたのだ。……そしてその悲鳴の原因は直ぐに判明する。
洋式の鐘楼が備え付けてある塔を見上げれば、明らかにイベントの類い──またはNPCには思えない男性プレイヤーが鐘楼塔から武器に刺されば吊られていた。
……伊達や酔狂で吊られていいるだけなら、胡乱な目を向けるだけで済んだ。……それならどれだけマシだったのだろうか…。
軈てその男性プレ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ