Fate/stay night
1127話
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』
慌てたようにそう告げる綾子の様子に疑問を抱いで訪ねるけど、戻ってきたのはどこか誤魔化すような言葉。
まぁ、聖杯戦争に関係しているんなら、凛がきちんと言うだろうし……そこまで気にするような事じゃないんだろ。
「ああ、その辺は大丈夫だよ。ほら、これがあるから」
そう告げ、右手を見せる衛宮。
その甲には令呪が存在している。
なるほど。確かに何かあったとしたら令呪でサーヴァントを呼び寄せるのは難しい話ではないだろう。だが……
「残り1画しかないのに、ですか?」
苛立ちを隠して尋ねる凛。
そう。その言葉通り、既に衛宮の右手の甲に残る令呪は1画のみだ。
最初に俺達と遭遇した時に、セイバーが致命的なダメージを受けそうになったのを令呪の力で回避して1画、学校で俺達と戦闘になった時にセイバーを呼び寄せて1画。
そして令呪というのは3回だけのサーヴァントに対する絶対命令権。
つまり、あと1回令呪を使えば、その右手の甲にある令呪は完全に消滅してしまう。
だというのに、衛宮はそれがどうしたといった表情を浮かべていた。
根本からお気楽なんだな。それとも最悪の未来を想像出来ないのか?
もしも凛が後先を考えないような性格のマスターであれば、俺にここで衛宮を殺せという命令すら出来るというのに。
そんな命令があれば、敏捷さからいってそれこそ一瞬で奴を殺す事が出来る。
……まぁ、凛がそんな考えなしの行動を取るとは思えないけどな。
もしかして、衛宮もそれを理解しているからこそ、こうして話し掛けてきているのか?
そう考えると、結構用意周到なのか? ……いや、ないな。多分何も考えていないだけだろう。
そんな風に考えている間にも、凛と衛宮の会話は続き……
「では、この辺で私は失礼しますね。行きましょう、アーク、美綴さん」
衛宮の前から立ち去る凛に促され、俺と綾子もその場を後にする。
「悪いな、衛宮。今日はちょっと遠坂の機嫌が悪いんだよ」
綾子が去り際に衛宮にそう告げているのが聞こえてきた。
「おはようございます」
凛がそう告げて教室に入る。
俺と綾子もまた、軽く挨拶をしながら教室の中に入っていく。
それに教室の中から色々と挨拶が返ってきて……
「おはよう! やっぱり今日も3人で登校してきたな。いやぁ、アークってば女誑し、天然ジゴロ、ヒモの王様!」
「蒔の字、それは少しも褒めておらんぞ。……おはよう、3人共」
「その、おはようございますっ!」
いつもの3人組が挨拶をしてくるけど……蒔寺の言葉は絶対俺を褒めたりはしてないよな?
寧ろ貶すというか、責めるというか。
「あら、蒔寺さん。またしっかりとお話をする必要がある
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