Fate/stay night
1127話
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よ、慣れ。どのみち聖杯戦争が終わるまでは一緒に行動しなきゃいけないんだから、慣れるしかないわよ』
『遠坂、よくこんなに視線を向けられて平気だな』
『遠坂家の家訓は、常に優雅たれだもの。この程度の視線を気にし過ぎてもしょうがないわよ』
『……ふん。アークに抱かれた時は、凄い大声を……それも快楽に染まった声を出して、とてもじゃないけど優雅なんてもんじゃなかった癖に』
「ちょっ!」
綾子の言葉が余程意外だったんだろう。念話ではなく肉声で声を出す。
ただ、こうして3人揃って無言で歩いている中で、いきなりこうして声を上げれば目立つ訳で。
『おや、遠坂。とても優雅なんて風には見えないんだけど』
『綾子、貴方ねぇっ!』
悔しげに念話で呟く凛。
そんな風に念話で会話をしながら、俺達は学校への門を潜る。
瞬間、やはり強烈な違和感が襲う。
『相変わらず、結界は修復しているらしいな』
『全く、毎日毎日ご苦労様って奴よね。いい加減にして欲しいわ』
念話での俺の呟きに、凛が忌々しげに返してくる。
気持ちは分からないでもない。毎日結界の起点を潰すという行為をしているおかげで、俺達の放課後は殆ど自由がない。
これが普通の時ならまだしも、聖杯戦争中に放課後が丸々潰れるのは非常に痛いんだろう。
……聖杯戦争でもなければ、こんな結界なんか張られないんだろうけどな。
ともあれ、結界の起点を潰していく限り魂喰いのこの結界が発動する心配はない。
これだけの結界だけに、やっぱり張ったのはキャスターなのか、それともワカメの執念深さに命じられたライダーなのか。
そんな風に考えながら、学校の中へと入り、廊下を歩いていると……
「おはよう、遠坂、美綴、アーク」
そんな声が聞こえてきて、ピクリ、と凛の動きが止まる。
いや、この様子を見る限りだとビキリと表現した方がいいのか?
そちらへと視線を向けると、そこにいたのは当然ながら衛宮の姿。
小さな笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けている。
「あら、衛宮君。おはようございます。けど、色々と不用心ではないですか? この前も同じような事を言ったと思いますが」
周囲には大勢の生徒達が行き交っている為だろう。凛は猫を被って衛宮にそう告げる。
ただし、笑みを浮かべながらも魔術刻印のある左手を右手で押さえているところを見ると、相当苛立ってるな。
まぁ、親友が衛宮のせいで半サーヴァントになってしまったんだから、無理もないだろうけど。
その本人は、今のところは気にしている様子はないみたいだけど。
『あちゃあ、またタイミングが悪い。ただでさえ夢見が悪くて苛立ってるってのに』
『うん? 苛立つ? 何がだ?』
『あ、いや、何でもないよ。こっちの話
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