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ある日ある時、ある世界で
INNOCENT's World : Side of her
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 結局、二人はタイムアップになるまでそんなことをやり続けていた。







「……ぜぇっ……つ、疲れた……」

「……ふぅ……は、始めたのは疾風じゃんっ……はぁ……」

「……お、お前だってノリノリだったじゃねぇか……!」

 大量のターゲットを撃ち過ぎて魔力が切れかけ、一旦休憩しようと二人はコミュエリアの飲食スペースに向かった。ここは基本的にコンビニのようなレイアウトになっており、菓子や飲み物の自販機が設置されている。とりあえず飲み物を買おうとドリンクコーナーへ向かい、疾風はブラックコーヒーを買って取り出した。

「疾風は相変わらずコーヒー好きだね……しかも無糖」

「紗那は苦いの苦手だもんな。カフェオレとかはいけるんだっけ?」

「うん、コーヒーの香りそのものは好きだからね。けど紅茶の方が好き……っと」

 紗那が買った紅茶の缶を自販機から取り出そうとした時、隣の自動販売機で彼らと同じように飲み物を買おうとしていた小学生くらいの男の子が小銭をぶちまけてしまった。慌てて拾い集めようとするも手こずっている男の子を見て、紗那は缶を疾風に預けて一緒に小銭を拾い集め、背中を向けて拾っていた男の子に渡した。

「……はい。これで全部……かな?」

「あ、は……い」

 と、こちらを振り返った男の子だったが、紗那の顔を見た瞬間に固まった。だんだん顔を真っ赤にしはじめる。その様子を見て紗那は自分の顔に何か付いているのかとでも思ったのか、男の子に話しかけた。

「……? どうかした?」

「……あっ!? い、いえ! ありがとうございました!」

そうお辞儀をしてあわただしく去っていく男の子を見て、紗那は「飲み物買わないの……?」と首を傾げている。その一連の様子を見て、疾風は声を殺して大笑いしていた。あの男の子は大方、振り返って目の前にあった紗那の顔が予想外に整っているのを見て照れたのだろう。だというのに当の紗那にまったく気付いた様子はなく……疾風は両者の落差が面白くて爆笑していた。

 さておき。……爆笑する疾風を見て首を傾げる紗那という一幕もあったが、それもまぁさておき。小腹が空いたと疾風はお菓子用自販機で売っているプレッツェルを一つ買って紗那と一緒にテーブルに着き、一口飲んで息を吐いた。

「ふぅ……落ち着くぜ。やっぱ水分って大事だな」

「うん……それに甘いものって、じんわり効いてくる感じがするよね……」

「確かに。後でチョコでも食おうかな……それにしても……」

「?」

 疾風はコーヒーをすすりながら対面に座っている紗那をまじまじと見る。艶やかな長い黒髪を腰まで伸ばし、前髪は彼女の人見知りを表しているかのように目が少し隠れる程度まで伸ばされている。そのせいで
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