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ある日ある時、ある世界で
INNOCENT's World : Side of her
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たような色彩のビームの刃が出力されている。先端から銃口の下までの刃渡りは30センチほどだが、持ち手の部分まで刃が伸びているので全長は50センチほどだろうか。両手に握っている銃剣のうち、右手に握っている方にだけブルーのクリスタルがあり、疾風がそれに向かって話しかけるとクリスタルが点滅して女性の声で返答した。

「今日もよろしくな、リラ」

【こちらこそ、マスター】

 武器が言葉を話したことからわかるだろうが、このブレイブデュエルにおいての武器は“デバイス”と呼ばれる特殊なものだ。武器の種類はかなり多彩で、杖から剣、銃、さらにはリラのようにそれらが合体したものまで様々で、しかもその全てにAI、つまり人工知能が内蔵された優れものである。このためコミュニケーションが可能であり、攻撃から防御まであらゆる面でデュエリストをサポートしてくれる。

 ちなみに疾風のデバイスの名は“リヒトラスター”、愛称リラである。通常形態は銃剣であるガンブレードモードだが、他にも複数の形態を持つ。しかし今回は戦うことが目的ではないため疾風はビーム刃を消してリラを両腰のホルスターにマウントし、紗那に振り返った。……そして、自分と同じくデバイスに話しかけている紗那の格好を見た。

「……それにしても、見るたびに思うけど凄いアバターだよなそれ……」

「わ、私が選んだ訳じゃないもん!」

 顔を真っ赤にして叫ぶ紗那の格好は、手や足、胸元や腹部などかなりの部分が露出した忍者装束のようなもので、赤い布をマフラーのように首に巻き、普段下ろしている長い髪をポニーテールにしている。もともと肌の露出が多い上、その部分がただ露出しているのではなくあえてメッシュのような素材になっているので余計に刺激的な格好になっている。しかも彼女、制服の時は分かりにくいがかなりスタイルが良いので……早い話が、相当エロいのである。

「うう、結構気にしてるのに……ポニテだと顔ハッキリ見られちゃって恥ずかしいし……昨日の子にも“凄い格好してるね”とか言われちゃうし……」

 と、ちょっとからかっただけなのに紗那が何やら涙ぐみつつ本気で落ち込み始め、疾風は慌ててフォローした。

「わ、悪かったって! いいじゃん、ポニテも似合ってるぜ!?」

「……むう……まぁいいけどさ、リンクとも会えたし……」

【拙者も、マスターと出会えたことを嬉しく思っています】

「……うん。ありがとう、リンク」

 どこからともなく発せられた渋い男性の声に小さく微笑み、紗那は背中に背負った刀に触れた。黒い鞘に、(つば)のない刀。鞘の鯉口にあたる部分には水色のクリスタルが嵌め込まれている。それ以外には一切装飾がないシンプルなデザインだが、侮るなかれ相当な業物である。刀型である彼女のデバイスの名は“ス
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