INNOCENT's World : Side of her
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時にふと腕時計を一瞥し、片方の眉を上げた。
「……それにしても彼女……デバイスと話してる様子もなかったし、きっとあの動きホントに全部自力だったんだね。……天才、なんだろうなぁ……」
「……ぷはっ。かもな。けどまぁ、才能で結果が確定されるゲームじゃないのがブレイブデュエルの良い所さ。相手が一人の天才なら、こっちはデバイスとの二人三脚で追いつけばいい」
「……そう、だね。ねぇ、今日ちょっと練習したいんだけど、付き合ってくれないかな?」
「もちろんいいぜ、俺もちょっと射撃練習したいと思ってたところだし。……ところで、紗那」
「? 何?」
「時間見ろ。あと5分で授業始まるぞ」
「……え、嘘っ!?」
疾風に促されて壁際の時計を見ると確かにその通りで、紗那は慌てて弁当を口に詰め始める。……が、当然のことながら喉に詰まり、むせた。
放課後、疾風と紗那は “ステーションアズール”という名前のゲームセンターにやってきた。もちろん、ブレイブデュエルをプレイするためである。ゲームセンターの最上階が丸ごとブレイブデュエルのスペースとなっており、ゲームをプレイするデュエルエリアと、待機所及び休憩所代わりの“コミュエリア”が同じフロアに併設されている。さすがにブレイブデュエル発祥の地である海鳴市の施設の規模には及ばないが、それでも老若男女、多くの人々で賑わっている。
二人はまずコミュエリアにある一日一回無料でブレイブデュエルのカードをもらうことができる機械、“カードローダー”へ向かい、疾風が先にカードを受け取った。出てきたのはNランクの防御用スキルカードだったが既に持っているものだったし、しかも彼は防御よりは回避を選ぶ質なので使う機会はない。合成に使うか、と思ってカードをポケットにしまおうとした時、隣で彼と同じくローダーからカードを受け取った紗那が驚いたような声を上げた。
「……おぉ!」
「ん? どした?」
「え? ん〜……秘密。後で見せるよ。疾風は?」
「あんだよ……俺はダメだ、ダブった」
カードを隠されてしまい顔をしかめつつ、肩をすくめて紗那にカードを見せる疾風。一応“要るか?”とは聞いたものの彼女も持っているスキルカードだったので首を振られ、疾風は一旦カードをポケットに突っ込んで二人でコミュエリア内のデッキ考案スペースへと向かった。
デッキ考案スペースで互いのデッキを考え、完成させる二人。ちなみに普段はふたりで相談しながらデッキを組んでいくのだが、紗那が今日は先ほど当てたカードを使ってみたいと言ったので別々に行ったのだ。デッキを組み終わり、疾風と紗那はシミュレーターの前まで移動した。
「……さて。戦術は?」
「う〜ん。実はちょっと前
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